樹木希林も激怒する?『カメラを止めるな!』日本アカデミー賞スルーの裏側

日刊大衆

樹木希林も激怒する?『カメラを止めるな!』日本アカデミー賞スルーの裏側

 2018年最大の話題作となった映画『カメラを止めるな!』。

 わずか300万円の製作費の映画が、SNSを中心に話題を呼び大ヒット。最終的には224万人動員、興行収入30億円という、まさに奇跡の作品となった。

 3月8日には『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)で地上波初放送となったが、こちらも異例づくめ。冒頭のワンカット40分のシーンがノーカット放送という構成となった。

「やはり、そうして特別に扱われる作品ということ。テレビ局の敬意の表れかもしれませんね」(映画誌記者)

 その一方で、『カメ止め』が不当に扱われた、と囁かれているのが、3月1日に発表された日本アカデミー賞だ。

「各賞を総なめにしたのは、是枝裕和監督の『万引き家族』。カンヌで受賞し、米アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた素晴らしい作品であることは間違いないのですが、『カメ止め』の扱いはあまりにも不当でした」(スポーツ紙記者)

 最終結果は、主要13部門のうち『万引き家族』が8部門で受賞し、『カメ止め』は編集賞1部門のみの受賞にとどまった。

「話題性も動員も群を抜いていたのにね。でも、こうした超低予算映画が認められると今後お金が集まりにくくなる、という付度や、知名度のある俳優・女優が受賞しないとメディアで報道されない、という不安から『カメ止め』がいわば無視される形になったんでしょう。結局、大手の配給会社や大物俳優、事務所に配慮したアンフェアさが浮き彫りになりましたね」(夕刊紙デスク)

 今回、助演女優賞を受賞したのは、昨年9月15日に逝去した樹木希林さん(『万引き家族』)だった。

「希林さんと日本アカデミー賞といえば、語り草なのが07年の『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』で主演女優賞を受賞した際のスピーチ。壇上の希林さんは“私が審査員なら違う作品を選んでいました”“賞をいただいてしまって申し訳ない”しまいには“組織票”といいたい放題。それがテレビで中継されたわけですから、関係者は凍りついたでしょうね」(前出の映画誌記者)

 ちなみに、この年も他の賞レースで圧倒的に評価されていた『それでもボクはやってない』は助演女優賞、美術賞、編集賞の受賞にとどまり、ほとんどの部門で『東京タワー』が受賞していた。

 のちに、樹木さんはこの“ド本音”発言について雑誌『hon-nin』の吉田豪氏のインタビューで、「リリー(・フランキー)さんの原作はホントに名作だと思う」と述べ、松尾スズキ氏の脚本についても「爆笑につぐ爆笑の平成の名作ができるはずだったのよ!」と語っている。そして最後には、「だから私は監督に『あのね、どこかであんたが刺されて死んだら、犯人は私だから』って言ったの」(前掲書)

 今年も日本アカデミー賞を受賞した樹木希林さん。もし壇上に立っていたら、今回の“『カメ止め』スルー”にも激怒したのかも?

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