秋津壽男“どっち?”の健康学「治療薬の少ない低血圧を改善する方法。運動で肉体改善か食事改善かどっち?」 (2/2ページ)

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中でも「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎを鍛えるのは非常に効果的と言えるでしょう。

 ただ、低血圧の人の場合、少なめの運動量でも貧血で倒れる危険性があります。そこで、まずは食事から始めるのがベターです。その際に、カギとなる「高血圧治療の真逆治療」こそ最適です。一般的に、痩せている人が多いため、まずは体重を増やすことで症状を改善させるわけです。

 具体的には食事の量を増やす、タンパク質を多く摂る、塩分を多く摂るなどが考えられます。ただし塩分の摂り方にはコツがあります。食事の味を濃くすると辛口になってしまうので、1日に大粒の梅干し(20グラム程度)を3つほど食べることをお勧めしています。

 同時に、1日2リットルを目安にして、水分も多く摂取してください。お茶やコーヒーを多めに飲むのも血圧を高めますが、治療中はお酒を避けてください。なぜなら、アルコールを飲むと血管が広がり倒れてしまうケースが多くあるからです。高血圧の原因となる喫煙も血圧を高めはしますが、それ以上に害が多く、当然ながらお勧めできません。

 また、ストレス解消もキーワードです。改善すべく、気の合う友人との時間を多くしたり、パートナーができたことにより、低血圧がよくなったという例も耳にします。明るく活力的で、日常を楽しく過ごすのも改善方法の一つです。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「治療薬の少ない低血圧を改善する方法。運動で肉体改善か食事改善かどっち?」」のページです。デイリーニュースオンラインは、低血圧週刊アサヒ芸能 2019年 3/21号“どっち?”の健康学秋津壽男運動社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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