有安杏果、ライブMCのネット転載行為に“損害賠償”警告で広がる「懸念」!
元ももいろクローバーZで、現在はソロアーティストとして活動する有安杏果が3月24日、東京・EX THEATER ROPPONGIでソロ公演の「サクライブ」を開催。満員の観客を集めて盛況に終わった。参加したファンからは「観客のマナーが良くてライブを楽しめた」といった声も伝わってくるが、どうやら有安サイドでは一部ファンのマナーを苦々しく思っているようだ。
サクライブ制作委員会では公式サイトに〈ファンの皆様へ〉と題したメッセージを掲載。“ごく一部の方”と前置きしつつも、〈ライブ中に演奏された楽曲の歌詞やMCの内容などを書き起こしてインターネット上に公開する行為、不正確に改変してこれらを公開する行為〉が確認されたと主張している。また、ライブ中に演出として客席に打ち出される銀テープなどをオークションサイトで転売する行為についても言及している。
これらの行為については〈ライブのルール・マナーに違反している〉と主張したうえで、〈著作権侵害等の法令違反・権利侵害にも該当し得る行為です〉と警告。その上で、〈場合によっては、損害賠償責任、また著作権侵害等に関し刑事責任の追及を受ける可能性もある〉と、強い調子で注意を喚起している。これらの主張について、音楽ライターはこう首をひねる。
「マナーの悪いファンに対して運営サイドが苦言を呈することはままありますが、その多くはライブの進行を妨害したり、限定グッズを転売するといった本当に悪質なケースばかり。今回のようにライブで披露した歌詞やMCのネット転載を告発する例はほとんど聞いたことがありません。もちろん厳密に言うと歌詞は著作権で保護されますし、ライブ中のMCについても著作権法10条で規定する“講演その他の言語の著作物”に該当するため、運営サイドの主張自体は正しいのですが、ほとんどの音楽業界関係者は『そこまでしなくても…』と感じるはず。初のソロライブということで、ちょっとピリピリしすぎているのかなと心配になります」
さらに言えば、観客に無料配布された銀テープをオークションに出品することに違法性はなく、運営サイドの主張する〈ライブのルール・マナーに違反〉に該当するかどうかも微妙なところだ。これらの主張について前出の音楽ライターは、こんな見立てを明かす。
「運営サイドとしては、3月27日の大阪公演を前に歌詞やMCをネット転載されることで“ネタバレ”になることを恐れているのでしょう。それに加えてMCを不正確に改変されることにより、アーティスト・有安の本意が曲がって伝わってしまうことへの警戒もあるはず。今回のサクライブに向けて有安は相当に入念な準備で臨んだはず。それこそMCで話す言葉ひとつのチョイスにも気を遣っているでしょう。それを不正確に変えられてしまうのは、歌詞を勝手に改変されるのと同じくらいに、彼女にとっては不本意なことではないでしょうか」
多くのファンは運営サイドの警告に理解を示しているが、損害賠償責任まで持ち出すのは行き過ぎだと感じる向きもある。歌詞やMCのネット転載にしても、当のファンにとっては有安の気持ちをみんなに伝えたいという善意が発端のはず。このマナー問題、はたしてどのように落ち着くのだろうか。
(金田麻有)