人間の遺体を堆肥にし、自然に還す「有機還元葬」がアメリカ・ワシントン州で合法化される見込み (2/3ページ)
Human composting bill passes senate
・コスト面でも効率的
米環境保護庁が有機還元葬の金銭的・環境的コストを調査したところ、非常に効率的かつ、環境的にも健全な埋葬法であることが判明している。
たとえば、有機還元葬なら火葬に使われるエネルギーの8分の1で済み、その分二酸化炭素の排出を抑えることができる。
環境に悪く、しかも高価なニス塗りの棺桶を用意する必要もない。
米国では一般的な土葬の費用はおよそ88万~275万円とされる。火葬でも66万円するが、有機還元葬ならば60万円程度とかなり安く死者を弔うことができる。
Image by Rudy and Peter Skitterians from Pixabay
・微生物が遺体を速やかに土に還す
スペードさんによれば、有機還元葬は専用の施設で行われる。そこで遺体はワラやウッドチップといった自然素材に覆われ、3~7週間かけて微生物の活動によって分解される。
もちろんこの間、遺族はそこを訪問してもいいし、残った土を持ち帰って、好きなように使うこともできる。もし遺族が要らないというならば、地域のグループに託し、堆肥として利用される。
有機還元葬の支持者のウェス・マクマハンさんはこうコメントする。
「遺体の堆肥化に大賛成! 64年間頑張ってくれたこの体がダメになったら、ホルムアルデヒドやらなにやら防腐剤たっぷりの中に横たわらなきゃならない? 冗談じゃない。燃やしてしまう? それもゴメンだ。