法改正の転機となった“平成の凶悪事件”3つとその後…

まいじつ

(C)gualtiero boffi / Shutterstock
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世間を震撼させた事件が『平成』には多く発生した。各メディアの報道は、事件からしばらくたつとぱったり消えるため、〝事件のその後〟を知らないという人は多くいるだろう。法改正の転機ともなった3つの凶悪事件と〝その後〟を見ていこう。

【秋葉原無差別殺傷事件】

2008年6月、秋葉原の歩行者天国で発生した通り魔殺傷事件。犯人はネット掲示板に依存する25歳の男で、犯行直前「秋葉原で人を殺します」「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います。みんなさようなら」とネットに犯行予告をして実行。7人が死亡、10人が重軽傷を負う大惨事となった。

動機は、「俺を無視したネットのやつらに俺の存在を認めさせてやりたかった」などと、ネットでの居場所がなくなったことによる〝孤独感〟が凶行に向かわせたとされている。ごく一部で、犯人を〝格差社会の英雄だ〟などと聖人視されていたが、後に行われた裁判では死刑判決が確定。そして、この事件をきっかけに、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)が改正された。

「一方で、犯人の弟は、14年に世間の目を苦に自殺。母親は入院しています。凶悪事件の犯人の家族は、たいてい世間の目から逃れるために引っ越していきますが、ここの家族は事件後も引っ越しませんでした。『女性セブン』(18年7月12日号)の報道によると、犯人の父親は近所付き合いを避けてひっそりと暮らし、息子や弁護士とも会っていないようです」(事件記者)

なお、犯人の死刑はまだ執行されていない。

少年法が変わった極悪事件

【神戸連続児童殺傷事件】

1997年に起きた殺人事件。犯人の少年が声明文で自らを『酒鬼薔薇聖斗』と名乗ったことから『酒鬼薔薇聖斗事件』とも呼ばれる。犯人が〝普通の中学生〟という特異性に、日本中がうろたえた。

犯人は人を殺してみたいという衝動から、通り魔的に男児を絞殺。その後、被害者の頭部をノコギリで切断し、自身の通う中学校の正門前に置いた。その強い残虐性と証言から垣間見える異常性癖が、世間から大きく注目されることになった。

「事件をきっかけに両親は離婚。一方、少年は刑期を終え出所した後、当時を振り返った暴露本の出版や有料メルマガの配信をするなど、自らの体験をカネにしています。16年、写真誌に東京都足立区周辺で姿をキャッチされると転居し、その後の足取りは分からないとされています」(同・記者)

この事件が少年法改正の契機となり、刑事処分可能な年齢が16歳から14歳に引き下げられた。さらに、16歳以上の犯人が故意に犯罪行為によって被害者を死亡させた場合、家庭裁判所から検察官へ送致することも決定。つまり成人扱いとなったのだ。

【小金井アイドル殺人未遂事件】

16年、アイドルグループの元メンバーで歌手活動をしていた当時20歳の女性が、自称ファンの男に刺殺未遂された。男はSNS上でストーカー行為の末、東京都小金井市のライブハウスにてナイフで首などを20カ所以上メッタ刺しにし、女性は意識不明の重体で病院に搬送された。

「犯人は京都府の会社員の男性で、動機は被害者女性と結婚したいと思うほど好意を寄せていました。しかし、被害者に拒絶され、逆上し犯行に及んだといいます。裁判では反省した様子も見られず、懲役14年6月の判決が下されました」(報道番組ディレクター)

この事件をきっかけに、ストーカー規制法による取り締まり対象に『SNS』が追加された。その後、この法によって、新たな逮捕者が続出したという。

法改正はどうしても後手後手になってしまう。『令和』では、法改正が叫ばれるような事件が起こらないことを願うばかりだ。

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