お笑い第7世代の“新BIG3”は「四千頭身」「EXIT」「宮下草薙」で決まり?
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群雄割拠の芸能界。特にお笑い芸人に目を向けてみると、BIG3(ビートたけし・明石家さんま・タモリ)はまだまだ現役、お茶の間の人気者であり、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンなどの「お笑い第3世代」はここにきてまた勢いを増しているといっていいだろう。
そんなお笑い芸人界に、また新たな風が吹こうとしている。それが「お笑い第7世代」だ。「お笑い第7世代」の発端は、霜降り明星のせいや(26)の発言。せいやが自身のラジオ番組『霜降り明星のだましうち』(ABCラジオ)で「お笑い芸人のみならず、若い世代で集まって、“第7世代”など名前をつけていけば、ブームになるのでは」という旨の発言をしたのが始まりだという。
その後、霜降り明星は、コンビとして昨年の『M-1グランプリ2018』を制覇、ピンとしては粗品(26)が『R-1グランプリ2019』で優勝するなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。同時期に、同年代のハナコが『キング・オブ・コント』で、ゆりやんレトリィバァ(28)が『THE W』で優勝するなどしたことも相まって、平成生まれ、20代の若い芸人たちを指す言葉として「お笑い第7世代」という言葉が浸透していった。
■注目の3組は「四千頭身」「EXIT」「宮下草薙」
そんなお笑い第7世代は今では多くのバラエティでキャスティングされている。今回は、賞レースこそ勝ち取っていないもののバラエティ番組で存在感を強めている3組の芸人を紹介したい。「四千頭身」「EXIT」「宮下草薙」の3組だ。
「四千頭身」はツッコミの後藤拓実(22)、ボケの都築拓紀(22)、石橋遼大(22)からなる3人組。芸歴は3年目ながら、最年少でラジオ番組『オールナイトニッポン ZERO』(ニッポン放送)のパーソナリティを務めるなど、その実力は十分。特にツッコミの後藤を挟むように都築、石橋が立ち、両サイドから繰り出されるボケに淡々とツッコんでいく漫才スタイルは「脱力系漫才」と称され、その独特なテンポやネタの構成に虜になるファンが続出している。最近では後藤がピンで『すべらない話』(フジテレビ系)や『アメトーーク』(テレビ朝日系)に出演するなど、徐々に人気を獲得している。
「EXIT」はツッコミのりんたろー。(33)とボケの兼近大樹(28)からなるコンビ。彼らの特徴は「チャラさ」だ。彼らは渋谷系ファッションに身を包み、ネタも2人ともがパリピ口調で若者言葉を多用するスタイル。2018年7月に出演した『ゴッドタン』(テレビ東京系)の企画「この若手知ってんのか!? 2018」では、芸人や関係者らのアンケートを基にした、「今のバラエティで売れそうな芸人部門」で第1位を獲得。レギュラー陣との掛け合いの中でチャラ男というキャラと彼らの素とのギャップからスタジオを沸かせ、そこから徐々にテレビ出演を増やしている。
「宮下草薙」はツッコミの宮下兼史鷹(28)とボケの草薙航基(27)からなるコンビ。彼らの特徴はボケの草薙の「超ネガティブ思考」。ネタでも草薙のネガティブな想像に対して宮下がツッコむことで展開していく。そのネガティブ具合がクセになると徐々に人気を獲得。彼らもまた『ゴッドタン』の前述の企画に出演しており、「こいつは天才だ!部門」で1位を獲得した。最近では草薙が『アメトーーク』に出演し、そのネガティブ思考をもとにした独特のトークや先輩芸人からのイジリに噛みついていくことで笑いを誘っている。
彼らに共通するのが、ネタ中のキャラと自身の性格の差が少ないこと。四千頭身の若さや脱力加減、EXITのチャラさ、宮下草薙のネガティブというキャラは、ネタではもちろん、スタジオでのトークでも変わらず存分に生かされている。ネタで有名になり、その後スタジオトークでうまく自分が出せず、爪あとが残せない……そんな状況は我々視聴者から見ても悲しいものだ。ところが彼らにはそのパターンはあまり見られない。ネタでのキャラが自己の性格と隣接していることでMCも話を振りやすいし、「ありのままの自分」でトークに挑むことができる。
一方で、EXITの二人がそれぞれ介護とベビーシッターのバイトをしている、といったキャラに合っていない一面を見せることで笑いを誘う、キャラ一辺倒でない盛り上がりを生むこともできる。さらに、四千頭身・後藤と宮下草薙・草薙は『アメトーーク』でたびたび共演しており、毎回いじられ、爪痕を残す草薙に後藤が嫉妬し、暴走気味にトークを展開するといった相乗効果もみられた。
彼らの未来に、ネタ中のテキトーさがウケ、お茶の間の人気者になっていったザキヤマことアンタッチャブルの山崎弘也(43)を重ねてしまうのは考えすぎだろうか。次世代を担う「お笑い第7世代」。今後も多くの場面でテレビに登場することだろう。
(文/がまあぶら寝太郎TX)