巨人 原監督が長嶋V采配再現「菅野クローザー」起用

週刊実話

巨人 原監督が長嶋V采配再現「菅野クローザー」起用

 最後を締めるのは、あの男になるかもしれない。

 交流戦に勝ち越し、ペナントレース再開となった秋田遠征も連勝スタートで飾った原巨人が、順調に勝ち星を積み上げている。さらに弱点だった救援陣のコマ不足を補う補強とトレードも行うなど、態勢は万全。

 一方、宿敵の広島は交流戦最下位。これで新戦力がハマれば、混戦を抜け出すのは必至なのだが、否定的な見解も多く聞かれた。
「今季、山本泰寛、若林晃弘、北村拓己などの若手内野手が頭角を現しました。2年目の捕手、大城卓三も一塁で使われており、若手が元気だとベンチも自ずと盛り上がります。でも、原辰徳監督(60)は、特定の若手を使い続けるのではなく、各若手に平等にチャンスを与えているように思います」(ベテラン記者)

 手薄な救援陣にしてもそうだ。中川皓太、高木京介、田原誠次らのリリーフ陣に対しては救援に失敗しても使い続けてきた。
「桜井俊貴は救援ではなく、先発で使っていくようです。それで『勝ったり、負けたり』の状態。3連戦で2勝1敗、1勝2敗を重ねていきそう」(同)

 中川皓太は33試合、高木京介は28試合、田原誠次も25試合に登板している(7月1日時点)。このように登板過多の傾向にある救援陣に、元ダイヤモンドバックスのルビー・デラロサ(30)を加え、さらに日本ハムと交換トレードで藤岡貴裕、鍵谷陽平を補うなど次の手を打つのが早い。
「投打ともに複数の選手に対して交互にチャンスを与え、実戦の中で育てていくようです。特別な選手は作らずに」(同)

 もともと他球団が羨むほどの打撃陣に加え、懸念されていた投手陣でも盤石の陣容を整えつつある巨人だが、現実となるとそうはいかない。構想通りといかなかった選手もいる。背信登板の続く菅野智之(29)だ。

 セ・パ交流戦の最後の試合となった6月23日のソフトバンク戦で、2回途中4失点KO。この日に勝利していれば5年ぶりの交流戦優勝が掛かる大事な一戦で、「1回3分の0」での降板はプロ最短だった。

 こうした大事な試合を台なしにしたという責任感は、菅野がいちばん強く持っているはず。試合後、原監督があえて厳しいコメントを残したのは、菅野はエースであり、早期復調のため、我慢しながらでも起用していかなければならない“特別な選手”だからだろう。

 「腰痛で一軍登録を抹消し、短期間で呼び戻しました。今季の菅野は明らかにおかしい。真っ直ぐが走らないので変化球が多くなり、特定の球種を狙い打ちされています。原因は、去年までの勤続疲労でしょう」(スポーツ紙記者)

 エースは勝っても負けても影響力が大きい。不振で二軍落ちとなった場合、チームにマイナスの空気が流れる。そのため、試合の中で調整させていくようだ。

 とはいえ、先制点を許す先発登板が続けば、原監督も“決断”しなければならないときがくる。
「夏場の首位攻防戦、優勝のために負けられない試合となっても、不振の菅野を使い続けるのかどうか。原監督の決断次第でしょう」(同)

 そこで浮上するのが菅野の「臨時クローザー案」だ。
「1999年シーズン、チーム事情で桑田真澄が臨時クローザーを務めました。その年の桑田は開幕投手が予定されていましたが、体調を壊して開幕戦に間に合わず、シーズンを通しても不振に終わりました(8勝9敗5S)。配置換えを受け入れたのは、自身の不振という引け目もあったからでしょう」(ベテラン記者)

 “臨時”であれば、エースのプライドも傷つかない。菅野も優勝のかかった後半戦に貢献できるのならば、断らないはずだ。

 また、緊急獲得したデラロサについて、こんな情報も入手した。
「元々は先発でやってきた投手ですが、右肘に2度メスを入れており、昨季はその影響でマイナー暮らし。右肘への負担を軽減するため、リリーフに転向したようなところもあります。150キロ台半ばの直球でねじ伏せるのではなく、落差のあるチェンジアップやスライダーで打ち取っていくタイプの投手。巨人は右肘が治ったと見たから獲得したのでしょう。クローザーではなく、中継ぎで使っていき、先発に持っていくつもりではないか」(特派記者)

 デラロサを獲っても、目下、クローザーのポジションにいる中川は動かない。
「トレードで獲った左腕・藤岡は救援の経験もありますが、巨人首脳陣は『再生できる』と踏んで交換要員に指名したようです。原監督も『いいものが出せるように』という言い方でしたし、潜在能力をまだ発揮しきっていないと見ています」(同)

 こちらも、先発の含みを持っての獲得で、人材難の救援投手として、本当に補強したのは鍵谷だけだった。

 ファームで調整中のベテラン野上亮磨、生き残りに必死な大竹寛も30日に救援役で登板し、結果を残した。しかし、チームが活気づくかどうかは、別の話だ。
「100試合を切ったあたりで、菅野がリリーフでコールされたら、球場全体が盛り上がるでしょう。終盤戦の起爆剤にもなります。また、1994年の対中日“10・8”決戦で胴上げ投手になった桑田の例もありますし」(球界関係者)

 そうなれば、菅野も取り残されることなく、優勝に貢献したことになる。
「甥っ子が胴上げ投手になることで、原監督の地位は揺るぎない」(同)

 やはり補強メンバーよりも、「菅野で勝たなければ」という事情もあるようだ。

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