根尾の先を越した“地味にスゴイ”ルーキー 中日は高卒捕手を育てられるのか? (2/2ページ)

リアルライブ

オマエの勉強に付き合っていられない!」

 と、一蹴されたそうだ。

「単に、自分の出したサインが至らないせいだけではありませんでした。高卒捕手は子ども扱いされる空気がプロ野球界に定着しているようでした。大学卒、社会人野球から来た捕手はそんなことはありませんが」(同)

 プロと高校野球には、大きなレベル差がある。また、先輩である二軍投手の立場からすれば、早く一軍に昇格しなければクビになるという危機意識もあり、「勉強」「将来性」の言葉で許される高卒捕手とお付き合いしている暇はない、と。その気持ちは分かる。他球団の高卒でプロ入りした捕手も似たような経験談を話してくれた。自身の出したサインに頷いてくれるようになったのは、3、4年が経過してからだったという。

 もっとも、谷繁元信・元中日監督のように、プロ1年目から試合出場のチャンスをもらった高卒捕手もいた。その話を「サイン出し」で苦労した前述のプロ野球OBにぶつけてみると、こんな答えが返ってきた。

「失礼な話、谷繁さんが入団した大洋球団(当時)は優勝を狙える状況ではなかったので…。先輩投手も『育ててやろう』という雰囲気になれたのだと思います。もちろん、谷繁さんの実力もありますが」

 チャンスをもらった石橋は、試合中もブルペンに行って味方投手のボールを受けるなどし、先輩投手の特徴を掴もうと必死だった。石橋がマスクをかぶった時、点差の離れた場面であれば、「勉強」も許されるかもしれない。捕手出身の伊東勤ヘッドコーチがいるので、巧く段取りはしてくれると思われる。強打強肩の好捕手になりうる逸材だけに、良いキャッチャーデビューをさせてもらいたいものだ。

(スポーツライター・飯山満)

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