大好きなアメフトチームのTシャツを自作した少年がいじめられていることを知ったチーム、そのデザインを公式Tシャツに
image credit:Laura Snyder/Facebook
アメリカのフロリダ州のある少年に起こった出来事が、SNS上で人々の心を温かくしている。
大好きなアメリカンフットボールチームの応援をしようと、自作のTシャツを着て登校したにも関わらず、少年は複数の同級生にからかわれ、いじめられるという憂き目にあった。
これを知った教師が、フェイスブックでサポートを呼びかけたところ、少年の好きなチームのサポーターに次々とシェアされ、チームが知るところとなった。
チームは、少年のロゴデザインを公式Tシャツに起用するという粋な計らいを見せ、既に5万枚以上の事前注文が殺到する人気となっている。
・テネシー大学アメフトチームのロゴを自作した少年
事の起こりは、8月末のこと。フロリダ州アルタモンテスプリングスにあるアルタモンテ小学校では、好きな大学スポーツチームの色を誇示して応援する「カレッジ・カラーズデー(College Colors Day)」が行われることになった。
テネシー大学のアメリカンフットボールチームの「テネシー・ヴォランティアーズ・フットボール(University of Tennessee Volunteers 通称Vols)」の大ファンであるひとりの少年は、同チームのオレンジ色のTシャツを着てサポートしたかったが、公式グッズを持っていないことを教師のローラ・スナイダーさんに打ち明けた。
スナイダーさんは、「それなら、大ファンだということを示すために、是非自分で作ってみては?」と提案すると、少年はイベント日にオレンジ色のTシャツに、チームのロゴである“UT”の文字をペンで描いた紙を安全ピンで留めたものを着て、登校して来た。
自作のTシャツを意気揚々と着てイベント参加を喜んでいる様子の少年を見たスナイダーさんは、少年のチームへのサポート精神に感心し、彼の楽しそうな姿を見て幸せな気持ちになった。
・自作のTシャツをからかわれる
ところが、その日のランチタイムに、少年の隣に座った少女のグループが、そのTシャツを見て少年を酷くからかった。
激しく打ちひしがれた少年は涙を見せ、それを知ったスナイダーさんは自身のフェイスブックで、「この少年の勇気をサポートしてあげてほしい」とVolsサポーターたちに呼びかけると、24時間以内に投稿は急速に拡散。
Volsサポーターたちから大きな反響を呼んだだけでなく、テネシー大学側もこの一件を知るところとなった。
・自作ロゴが公式Tシャツになる驚きの展開
すると、Volsの公式グッズを扱うVolShopが、少年と同級生全員に公式グッズを送り、更に少年の自作デザインを公式Tシャツとして販売するという粋な計らいを見せたのだ。
それだけでなく、テネシー大学側はこの少年に対し、2032年度の名誉入学と4年間の奨学金支援を約束し、少年のVolsへのサポート精神と勇気を称賛した。
少年のデザインしたUTロゴが、公式Tシャツになることをスナイダーさんが少年に伝えると、少年はかなり驚いた様子だったが、満面の笑みを見せたという。
既にこのTシャツには5万枚以上の事前注文があるようで、販売されたTシャツの売り上げの一部は、青少年のいじめ防止に取り組む非営利団体「STOMP Out Bullying」へ寄付されることになるとのことだ。
Share in a Florida elementary student's Volunteer pride by wearing his design on your shirt too! Pre-order today for a late September expected delivery. A portion of proceeds from every shirt sold will be donated to @STOMPOutBullyng .https://t.co/NdnTtYREFL pic.twitter.com/OeTZvgC09Y
— VolShop (@UTVolShop) 6 September 2019
少年の母親は、感謝の気持ちをスナイダーさんに手紙で伝えた。
9月13日、フェイスブックを更新したスナイダーさんは、テネシー大学やVolsの思いやり溢れる対応に深く感謝し、少年をサポートして温かい言葉を寄せてくれた人々へも「感謝の気持ちでいっぱい」と綴った。
教師の少年への思いやりやサポート精神、そしてテネシー大学やVolsの粋な計らい、またSNSユーザーらの少年への励ましの声といった全ての人の優しさが、いじめに遭った少年に希望と勇気を与える結果となった。
SNS上では、大学の対応やスナイダーさんに対しても、多くの称賛の声が寄せられている。
References:Sunny Skyzなど / written by Scarlet / edited by parumo