グッピーが教えてくれた生物が進化する理由(米研究) (2/3ページ)

カラパイア



 小川の中のグッピーを、捕食者がたくさんいるところから、ほとんどいないところへ引越しさせてみたのだ。そして、それから4年間の変貌ぶりを元々の生息地のグッピーと比較しながら観察した。

もしグッピーが他の魚に食べられるリスクがないから進化するのであれば、すぐに目に見える進化が現れるでしょう。

でも捕食者がいないおかげで増えすぎて、自分たちのエサがなくなってしまうから進化するなら、目に見える変化が生じるまでにはタイムラグがあるでしょう。

 観察対象のグッピーはオス(寿命は5ヶ月ほど)で、追跡をしやすくするためにいずれにもマーキングがされた。そして注目されたのは、個体数を増加させる上で鍵を握っている寿命と大人になったときの体の大きさだ。

 また藻類や昆虫といったグッピーのエサとなる生物の量や他の非捕食魚の存在など、グッピーの生息数の増加にあわせて生じる環境の変化も記録された。

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Image by David Reznick/UCR

・変化した環境に適応するために進化する

 この実験から、グッピーが別の環境に導入されて進化するまでには、2、3年程度のタイムラグがあることが明らかになった。

 つまり、まずグッピーは新しい生息環境を変化させ、その結果として自らを変化させるらしいということだ。

進化の速度からそれがどのように起きるのか研究することができます。新しく判明したのは、生物は自分の周囲の環境を変えることで、自分自身の進化を形作っているということです


・人間も環境に適応するために進化する?

 レズニック教授が今取り組んでいるのは、この知見を人間の進化に当てはめてみることだ。
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