あのちゃん脱退:ロマン優光連載145 (4/6ページ)

ブッチNEWS

両親は不仲で経済的にも苦しく、親からもろくな扱いを受けていない。友達もいそうにない。そんなあの子の憧れの人があのちゃんだった。本来、アイドルに向いてないあの子がアイドルになろうと思ったのはあのちゃんがいたからだった。何もかもが上手くいかない生活の中で、あのちゃんだけが光だったのだと思う。
 Twitterの別垢で大人への不信や活動の不平不満や内部情報を書き散らかしたり、いわゆるバカッターみたいなことをやっているのがメンバーの密告で事務所にばれてグループをはずされ、別垢を禁止するという罰則を与えただけで事務所はサブカルっぽいアイドルとして再デビューさせようとしてたのだけど、新しく作った垢で元メンバーの悪口を言い散らかしているのを元メンバーに密告され解雇になるという、なんともいえない間抜けな終わりかただった。
 そういうどうしようもない子だったのだけど、あのちゃんのことをTwitterに書く時だけはキラキラとした言葉が綴られていた。あの子にとってあのちゃんだけが救いだったのだと思う。あの子はあのちゃんになれなかったし、なれるわけもなかったのだけど、それでも、あのちゃんに成りたかったんだと思う。なれるわけがないとわかっていても。

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