歌川国芳の2人の娘の画業も紹介!展覧会「歌川国芳 ―父の画業と娘たち」開催中 (2/2ページ)
わざと落書き調に面白おかしく役者たちを描いた「荷宝蔵壁のむだ書」ももちろんお待ちかねですよ!
この展覧会で特筆すべき点は、国芳の作品が年代順に分かりやすく並べられているので、順路通りに見ていくだけで国芳の画業ならびに人生を追う事ができるのが一つ。更には、それぞれの作品名の下にご丁寧にもその作品を制作した当時の国芳の年齢が書かれているのが嬉しい点でした。
そしてもう一つ、今回の展覧会は今までの国芳展には絶対なかったユニークな視点から企画されているのです。それが、副題にもなっている「国芳の娘たち」です!
国芳の2人の娘にも注目!あの国芳に2人の娘がいた事をご存知でしょうか。チャキチャキの江戸っ子気質で、乱暴なべらんめえ口調だったという国芳のイメージと可愛い子供のイメージは結びつきにくいですが、実は彼、大変子煩悩だったよう。
2人の娘の名前は、「とり」と「よし」。なんと彼女たちはそれぞれ芳鳥、芳女という画号で浮世絵を描いていたのです。今展覧会では、彼女たちが制作に携わった数少ない作品が結集されています。
1つ1つ見ていくと、2人の父親譲りの画力の素晴らしさを感じる事ができます。国芳も彼女たちの実力を買っていたようで、2人は国芳の作品の背景やコマ絵を多く描いています。中には芳鳥14歳の作品も!
売れっ子の父を手伝っている幼い娘たちの微笑ましい姿を垣間見る事ができる素晴らしい展覧会、ぜひ訪れてみて下さい。
展覧会「歌川国芳 ―父の画業と娘たち」日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan