連続テレビ小説『スカーレット』（ＮＨＫ）が、新展開を迎えた。これまではヒロイン喜美子（戸田恵梨香／３１）が大人になっていく様子や、仕事の苦労と喜びを知っていく姿が描かれてきたが、八郎（松下洸平／３２）が登場してから、胸キュンな恋愛ものとしての面白さが深まってきている。まずは１２月７日の放送を振り返ってみよう。

　八郎から陶芸を習う中で、想いを日々強くしていく喜美子。２人の距離はじょじょに近づいていき、喜美子は信楽焼のかけらを見せたいと八郎を家に招いた。お見合いイベントに参加するため早々に帰ってしまった八郎に、気持ちを抑えられなくなった喜美子は八郎を追いかけて……。

　喜美子の恋愛が盛り上がり、ツイッターにも喜びの声がたくさんあがった。「毎日ワクワクがとまらん！」「応援せずにはいられない」など、恋の急展開に驚きながらも大歓迎している様子が分かる。このことでドラマが一層面白くなってきたが、注目の恋は喜美子＆八郎カップルだけではない。実はこれから、喜美子の妹、直子（桜庭ななみ／２７）が熨斗谷（のしたに）電機の後輩、鮫島正幸と恋に落ちる。奔放で一直線な次女、直子の恋も見どころとなるはずだが、その相手、鮫島を演じるのが、注目の若手俳優なのだ。

■滝沢秀明氏も正門を評価

　なんと、鮫島役に抜擢されたのは、関西ジャニーズＪｒ.のユニットＡぇ！ｇｒｏｕｐのメンバーである正門良規（２３）。関西ジャニーズＪｒ.の抜擢は、過去に２０１４年の『ごちそうさん』、１６年の『あさが来た』２作に出演した西畑大吾（２２）や、同じく『あさが来た』に出演した桐山照史（３０）がいるが、そもそもジャニーズタレントの朝ドラ出演自体が貴重だ。他には１２年の『純と愛』でヒロインの相手役を務めた風間俊介（３６）ぐらいだろう。風間はもちろん、西畑、桐山もジャニーズタレントの中では「演技派」として名高い。そのことを考えれば、事務所、ＮＨＫ、双方とも役者としての正門に、かなり期待していることは確実だろう。

　正門はまだドラマ、映画への出演こそ少ないが滝沢秀明氏（３７）が演出する『滝沢歌舞伎』に出演するなど、舞台経験は豊富だ。ジャニーズ事務所の副社長である、滝沢氏のお眼鏡にかなった、いち押し俳優なのだ。喜美子と八郎の恋も盛り上がりそうだが、直子と鮫島の恋愛も目が離せなくなりそうだ。（朝ドラ批評家・半澤則吉）

※画像はＮＨＫ『スカーレット』番組公式ホームページより