脅威の顔認識能力を持つスーパーレコグナイザーにも弱点があった。異なる人種だと精度が落ちることが判明 (3/3ページ)

カラパイア

心理学の分野では、自分とは違う人種の顔になると途端に識別が難しくなることが知られているが、入管や警察がさまざまな人種の人々に遭遇することを考えれば、これは無視できる問題ではない。

 この疑問に取り組んだのが、イギリスとカタールの研究グループだ。この研究では、白人のスーパーレコグナイザーにエジプト人の顔を一致させるというテストに挑戦してもらった。


・人種の違いが認識の弊害に

 ここから明らかになったのは、いかに顔の認識能力に優れたスーパーレコグナイザーといえども、人種の違いは多少の弊害となり得るということだ。

 白人の顔を見分けることなら抜群に得意な彼らであっても、見慣れぬエジプト人の顔では成績が落ちている。

 また、イギリスの別のグループの研究によれば、白人のスーパーレコグナイザーは、別の人種をネイティブと同じレベルでは見分けられなかったという。

 彼らがエジプト人やアジア人の顔を見分ける能力は、エジプト人がエジプト人を、アジア人がアジア人を見分ける力には及ばないということだ。

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Gerd Altmann from Pixabay

・スーパーレコグナイザーも人である

 こうした事実は、スーパーレコグナイザーが常人とはまったく違う人たちなのではなく、常人の延長上にあるただの顔認識能力に優れた人たちであるという説を裏付けている。

 入管職員や警察官として彼らが貴重な人材であることには変わりないのだが、自分とは人種が違う相手を扱う場合は、同じ人種の仲間からのサポートを得られるようにすることが望ましいようだ。

References:Facial recognition: research reveals new abilities of 'super-recognisers'/ written by hiroching / edited by parumo

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