古典落語「ちはやふる」の見事なまでのこじつけ!知ったかぶりもここまで来れば面白い (2/4ページ)
「ふぅーむ……」
ご隠居は内心で焦りつつ、表向きはそれらしい顔で時間を稼ぎます。
(困ったのぅ……こんな和歌、聞いたこともないわい。さりとて「知らぬ」と申せば馬鹿にされるかも知れんし……)
しかし流石は年の功、頭脳をフル回転させたご隠居は、咄嗟の機転で珍解釈をひねり出したのでした。
大関・竜田川の失恋とその後「……今は昔、竜田川(たつたがわ)という力士がおってのぅ……」
ご隠居の語るところによれば、大関・竜田川が吉原の遊郭へ遊びに行ったところ、千早太夫(ちはや だゆう)という花魁(おいらん。高級遊女)に一目ぼれ。
「つき合って下さい!」
しかし千早は粗暴で男むさい力士が大嫌い。それで竜田川はあっけなく振られてしまう……これを「千早振る」の解釈とこじつけたのです。
傷心の竜田川は、次に千早の妹分である神代(かみよ。こちらも遊女)にアタックするも、「姐(あね)さんに振られたから、仕方なくみたいに言い寄られても……」と、告白を聞き入れてくれません。これが「神代も聞かず」。
千早に振られ、神代は聞き入れてくれない……すっかり意気消沈してしまった竜田川はスランプに陥ってしまい、間もなく引退。