江本孟紀が明かす野村克也の「遺言」(1)亡くなる前夜に虫の知らせ (2/2ページ)
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一報を聞いて、そういういろんなことが全部混ざり合った妙な感傷というか、複雑な気分でしたね。
江本氏の感傷を後押しした要因はもう一つある。初の共著の制作にあたり、昨年夏から野村氏と対談を繰り返してきたのだ。
雑誌の対談みたいなものはあったけど、腰を据えてじっくり話すことは、実はこれまでなかったんですよ。飲んだり食ったりのつきあいはなかったので。
きっとノムさんがもっと若い頃なら「江本なんかと一緒にやれるか」という感じだったと思うんですよ。そういうプライドをずっと持っていた。ここ数年、まあ年齢的なこともあるんでしょうね。だんだんいろいろ受け入れるようになっていたんじゃないですか。
取材の間は楽しそうでしたよ。昔の話ができる人間が少なくなってきたこともあり、話せること自体が楽しいんでしょうね。僕も時々、話しながらノムさんのことをちょっと持ち上げたりしてね(笑)。
沖縄から戻って弔問にうかがって、ノムさんの顔を見た時には、そんなことを思い出しました。