世界中が大批判する英国式「国民60%“コロナ”罹患計画」 (2/2ページ)

Asagei Biz

人痘とは、天然痘患者の水疱の一部を健康な人の鼻に吹き込むことで、軽く罹患させて、体内に抗体を作る処置です。自然に天然痘になると30%ほどの死亡率でしたが、『人痘』では死亡率が低いので、危険を承知で行われていました。感染症撲滅のためには遅かれ早かれ『集団免疫』の獲得が必須ですが、今回のケースはかなり時代錯誤で危険な対策です」

 国の管理体制が整わないまま、自然に抗体を作ろうとすれば、多くの犠牲を生み出すおそれがある。医学博士の中原英臣氏が解説する。

「本来、『集団免疫』はワクチンの接種によって形成するもの。それができないから、自然感染によって抗体を作る方針なのですが、感染をコントロールできるかはなはだ疑問です。確かに、感染後に回復して抗体を持つ人は現れるかもしれませんが、一定数の死亡者は覚悟しなくてはなりません」

 これをイタリアの死亡率7.3%に当てはめると、実に約250万人が犠牲になる計算だ。

 それでもイギリスが「集団免疫」の獲得にこだわる理由は、イギリスの医療を支えているNHS(国民健康サービス)を維持するためにほかならないという。

「イギリスのゴールは緩やかに感染者数を増やして抗体ホルダーを作ることでしょう。イタリアのように患者数が爆発してしまうと、ただでさえ乏しい予算内で運営しているNHSがパンクしかねませんからね」(久住氏)

 一方、WHOのテドロス事務局長は中国・武漢の「封鎖作戦」を称賛していたが‥‥。

「極端な封鎖を敷いて、国全体に免疫ができていない状態だと、再び人が出入国するタイミングで新たな感染爆発を引き起こしてしまう可能性があります」(久住氏)

「見えない敵」との闘いはまだまだ長い模索が続きそうだ。

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