レアな番付「横綱大関」とは?大相撲2020年春場所の番付表を解説します!

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レアな番付「横綱大関」とは?大相撲2020年春場所の番付表を解説します!

新型コロナウイルス流行の影響により、前代未聞の無観客開催となった、大相撲令和2(2020)年春場所。

ただ観客がいないだけでなく、優勝力士の表彰式のやり方が変更されたり、普段はTV中継されることのない千秋楽の「出世力士手打式」「神送りの儀」が中継されるなど、色々な意味で「これまでに見たことのない本場所」となりました。

今回は、そんな令和2年春場所の番付表を見ながら、大相撲の番付表の主なポイントをチェックしていきたい思います。

番付の名称の由来に関してはこちらの記事をチェック!

どうしてそんな名前なの?横綱〜序ノ口まで、大相撲の番付の名前の由来を紹介します!

番付が高いほど四股名が太字で大きい

番付表に書かれている位置は、番付の高い力士ほど上になります。

上から順に見ると

・最上段:横綱~前頭までの幕内力士の四股名と出身地
・2段目:十両・幕下力士の四股名と出身地
・3段目:三段目力士の四股名と出身地
・4段目:序二段力士の四股名と出身地
・5段目:序ノ口力士の四股名と出身地・理事をはじめとする年寄・呼出し・床山・若者頭・世話人など

となっています。

また力士の四股名は右列に東方、左列に西方力士の四股名が書かれ、真ん中の細い列には「蒙御免(ごめんこうむる)」という文字と場所の日程・会場などが書かれます。その下には行司の名前が、これまた番付順に記載されています。

更にその下には、審判委員を務める親方の名前が続きます。

力士の四股名は、横綱~前頭までは最上段に太く大きく書かれていますが、番付が下になるごとに小さくなり、序ノ口力士の四股名は針で書かれたかのように細く小さくなっています。

2020年春場所は横綱・鶴竜が「横綱大関」

2020年春場所の番付表には、他の場所の番付では見られない「ある違い」があります。
西横綱・鶴竜の四股名と出身地の上には、「横綱」ではなく「横綱大関」と書かれています。

これは、本来は東西に最低1人は必ずいなければならないはずの大関がこの場所は貴景勝1人となってしまったため、横綱である鶴竜が大関の役割も兼任することを意味しています。

横綱が正式に力士の最高位とされるまで最も高い力士の地位だった「大関」は、それだけ重要な地位なのです。

「司」みたいな字が並んでいるのは、なぜ

さて、2段目の十両力士の四股名の後には、幕下力士の四股名が続きます。
ここで番付表には、大きな変化が見られます。

それまで「前頭」と書かれていた場所に、急に「司」のような文字が並び始めます。
さらに1段下の三段目の番付以下になると、「司」がさらに簡略化されたような字となっています。

実はこれは「司」ではなく「同」で、「前頭に同じ」という意味です。

元々「前頭」とは、平幕力士だけを指す用語ではなく「前相撲の頭」を指していたとされています。「前相撲」は番付外のため番付表には載っていませんが、その前相撲より格上という意味で、横綱・三役以外の平幕力士から序ノ口力士までが全て「前頭」と記載されることになっているのです。

番付表を書いているのは誰?

さてこの番付表を書いているのは、いったい誰なのでしょう?

実は番付表を書くのは、土俵上で取組を裁いている行司の仕事です。行司は入門すると、番付表の相撲字をマスターするために、徹底的に習字を練習します。

ただ、現在筆者の手元にあるような印刷された番付表は、実は原本を4分の1くらいに縮小して印刷されたもの。いくらベテランの行司さんでも、針のような極細文字はさすがに書けないそうですよ。

参考
『好角家入門/番付表の見方』
『力士の世界/33代木村庄之助』角川ソフィア文庫

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