志村けんはYouTubeの源流にいた…本誌だけに語った「爆笑インタビュー」

日刊大衆

志村けんはYouTubeの源流にいた…本誌だけに語った「爆笑インタビュー」

 不世出の喜劇人が亡くなった。偉大なる功績を振り返りつつ、週刊大衆での「発言」「逸話」を公開!

 新型コロナウイルスによって命を落とした志村けんさん(享年70)。笑いの天才は何度も本誌に登場し、面白トークを聞かせてくれた。本誌は、日本お笑い界に遺した偉大な功績を振り返りつつ、編集部に語ってくれた、ここだけの話と知られざる一面を紹介したい。

「志村さんは、何歳までお笑いをしたいとか、考えたことはあるんですか?」 本誌2017年8月7日号の対談企画『あなたに会いたい』で、おなじみの麻美ゆま(33)は志村さんに、こんな質問をぶつけた。「なんだよ、急に(笑)。まあ、自分の体が動くうちは、やり続けたいよな」

 これが、偉大なるコメディアンの心からの思いだった――。

 生前の志村さんの功績は計り知れない。「『8時だョ!全員集合』(TBS系)では、『東村山音頭』『ひげダンス』『早口言葉』など数々のブームを巻き起こし、その後も、一線で笑いを届け続けた。キャリアは半世紀近くと、タモリさん、たけしさん、さんまさんより長い。これだけの存在は今後も出てこないでしょう」(放送作家)

 芸能界では大御所扱いの志村さんだが、還暦を過ぎてからもバカバカしいお笑い、下品なギャグを追求し、バカ殿や変なおじさんをやり続けた。今から約21年前、『増刊大衆』98年12月27日号で志村さんは、この点につながる発言をしている。「亡くなった東八郎さん(享年52)に言われたことがある。『お笑いはバカになりきることだよ。いくらバカやっても、見る人は分かっている。自分は文化人だ、常識があるんだってことを見せようとした瞬間、コメディアンは終わりだよ』。オレはずっと、その言葉を大事にしている」

 ある程度売れたコメディアンは性格俳優として売り出すケースも多いが、志村さんはそれもしなかった。「高倉健さん(享年83)からの直々のオファーで映画『鉄道員』(99年)に出演しましたが、あとは断っていたようです。この3月から撮影予定で幻に終わってしまった山田洋次監督(88)の『キネマの神様』は、21年ぶりの映画出演になるはずでした」(芸能記者)

 19年9月2日号では、舞台に巨大な“ウンコ”を登場させることについて、こう豪語した。「俺が理想としているのはね、子どもと年配の方が同時に大爆笑してもらえることなんだよ。まさに一家団欒だよね。巨大ウンコで、年配の方にも大いに笑ってもらいたいね」

 志村さんには、『全員集合』終了後、加藤茶(77)を除くドリフのメンバーと疎遠になった時期があった。しかし17年、『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ系)内で12年ぶりのドリフ再集結を呼びかけた。「これは、『全員集合』のような“セットを組んだコントの灯を消したくない”という、思いの表れのようです」(前出の放送作家)

 また、志村さんは「志村魂」というコントの舞台公演に心血を注いだ。「バカ殿、ショートコント、松竹新喜劇のリメイクなど、3時間超の大ボリュームで、まさに志村さんの魂が込められていました」(前同)

 本誌で志村さんと毎年のように対談していた麻美ゆまも、『志村魂』の常連の出演者だった。16年8月15日号では、彼女に「志村魂」を始めたきっかけを尋ねられ、こう答えている。「お客さんの前に立たないと、ウケているかどうか分からないんだよ」

 テレビの司会などで十分に稼いでいたが、心のホームグラウンドは、『全員集合』と同じ、舞台でのコントだったのだ。「始める前に、“舞台は儲からない”と事務所に言われたんだよ」

 それでも、採算度外視で取り組んだのだ。「大掛かりなセットを組み、出演者はひたすら豪華。にもかかわらずチケット代を安価に設定したんです。しかも、公演をDVD化しなかった」(放送作家)

 あくまで、劇場に観に来てくれるお客さんを大切にしていたのだ。

 一方で志村さんは、常に新しいものを取り入れていた。「アップルウォッチに最近ハマってるんだよ。なかなか面白いよ。体調管理や睡眠時間なんかも、いろいろ教えてくれるし。この前なんか、寿司屋で寿司食ってたら突然、アップルウォッチが、“運動の時間です。1分間体操しましょう”なんて言い出すんだよ(笑)」(19年9月2日号)

■『千鳥』と『タカ&トシ』を認めていた

 また、芸能界の流れにも敏感で、いつも笑いの才能のある人材を探していた。17年8月7日号『あなたに会いたい!』では――。「基本的にネタ番組はオレ、全部見ていると思うよ」とコメント。「好きなんだよね、『千鳥』の漫才が。彼らのお笑いは職人芸なんだよ。『タカ&トシ』も俺は好きで認めているね」(18年9月3日号)

 後輩芸人を評価し、公私にわたって応援していたのである。

 このような笑いに対する意欲的な姿勢が、新しいアイデアを生む。そんな志村さんには、画期的な発明が少なくとも2つある。「じゃんけんの『最初はグー』の元祖が志村さんだというのは有名な話。あれは、飲み屋で酔っ払い同士が、じゃんけんをするときに、タイミングが合わないことから考案されたものだとか」(スポーツ紙記者)

 また、世界的な動画サイト・ユーチューブの源流にも、志村さんがいるのだ。「『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(TBS系)のスタート時、志村さんが、視聴者が撮った面白ビデオを紹介するコーナーの企画を発案。結果的に、それが番組の人気コーナーになったんです」(前同)

 当時はまだ、名もなき市井の人々が撮った動画を面白がる文化は世界のどこにもなかった。「やがて、その企画は海外のテレビ局にも着目され、世界各国に輸出された。特にアメリカ版は、89年から30年以上にわたって放送されており、今では、ユーチューブの始祖だと認識されています」(同)

■優香や加藤綾子、菜々緒らと噂に

 志村さんといえば、酒豪で、若いおネエちゃんが常に周りに大勢いるというイメージがある。97年1月27日号では、バレーボール選手から芸能界に転身した川合俊一(57)との対談企画に登場。お酒を飲みながらのトークとなったが、当時46歳の志村さんは、前の晩も朝5時半まで飲んでいたという。「(酒が)抜けないうちに、こうして飲むから、酔いが早く回っていいんだよ」

 酒の勢いもあってか、恋愛観についても語っている。「女とはけっこう、一緒に住んでたの。いいじゃない。好きな子と一緒に住むのって。それに恋してるときって、いいコント書いていられるんだよね」

 川合に、「志村さんと噂になった女性って、みんな若い子ばっかりですよね」と突っ込まれると……。「ウン、若いよ。ちょっと前までは18歳〜22歳くらいの子って決めてたから」

 志村さんは亡くなる直前、『あいつ今何してる?』(テレビ朝日系)で、大滝裕子(57)という元アイドルと35年前に交際していたことを明かしたが、とにかくアイドルにモテたようだ。「いしのようこ(52)、優香(39)、磯山さやか(36)、原幹恵(32)、みひろ(37)、加藤綾子(34)、菜々緒(31)など、錚々たる美女たちと噂になりましたよね。金払いが良く面倒見がいい。飲み会でのシモネタも、志村さんが言うと嫌がられなかった」(テレビ局関係者)

 98年6月29日号では、当時、スキャンダラスな話題を連発し、“魔性の女”と呼ばれていた女優の葉月里緒奈(44)と飲んだことがあると告白。「そそったなあ。じ〜っと見つめてくる目がいいんだよな。『こいつ、オレに気があんな』って勝手に思いますもん(笑)」

■大悟やハリセンボンと

 志村さんは、“若い美女”に限らず、後輩の芸能人にも慕われた。「中山秀征(52)、ダチョウ倶楽部上島竜兵(59)、千鳥の大悟(40)らが飲み仲間。それに、“美女”とは言えないハリセンボンの2人もかわいがっていた。誰にでも優しい人だったんです」(前出の放送作家)

 13年10月28日号では、7年間仕えた元付き人の芸人が、志村さんの素顔を語っている。「師匠は理不尽に怒ることをしません。タバコが欲しいのに用意できないとか、汗をかいているのにタオルがないとかで、注意されたことはあります」

 これは“芸人は相手の気持ちを読まなければならない”という理由からだったとか。

 また、海外でパスポート入りのバッグをタクシーに忘れてしまったときも「だいじょぶだ〜」と許してくれたという。

 みんなに愛された志村さんは、17年の8月7日号で“死”について言及した。「死ぬときはやっぱり……腹上死が一番だな(笑)」

 どこまでも、“らしい”発言だった。コロナウイルス禍で、しばらく暗い時代が続きそうな令和の日本にこそ、志村さんのような人がいてほしかった。合掌!

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