志村けん『エール』ドラマ初出演で“いかりや長介超え”の伝説へ (3/3ページ)

日刊大衆

■映画『キネマの天地』もハマり役だったはず

 今年は山田洋次監督(88)の最新映画『キネマの神様』に、菅田将暉(27)とのダブル主演が決まっていた。しかも無類のギャンブル好きのダメ親父という役柄で、これは志村さんのハマリ役となったはずだ。温かみがある演技で名を馳せたいかりや長介さんとはまた違う、志村さんならではのはっちゃけた演技で、俳優としてブレイクした可能性も大いにあった。

 志村けんさんは、大先輩の長さんを、俳優として超えられたかもしれない。『エール』の短い芝居で役にシンクロし、存在感を出しまくる姿を見ると、ついそんなことを夢想してしまう。そして『エール』で見せた役者魂の裏には、今後は俳優にも本気で挑戦したかったという野望が見え隠れして、その急逝がなおのこと切ない。

『キネマの神様』は代役が沢田研二(71)に決まったが、一方の『エール』は代役なしの方向と報道されている。これは制作陣の大英断ではないだろうか。ふてぶてしいがどこか憎めない小山田耕三は、志村さんでなくては困るのだ。もしもっと長く生きていたら……。毎日テレビを眺めながら思ってしまうが、この素晴らしい演技を、どうか最後まで噛み締めたいものだ。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

「志村けん『エール』ドラマ初出演で“いかりや長介超え”の伝説へ」のページです。デイリーニュースオンラインは、いかりや長介沢田研二菅田将暉窪田正孝連続テレビ小説エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る