怒りっぽい上司に通ずる? 豊田真由子元議員の暴言の原因になった「自己肯定感の低さ」 (2/2ページ)
ましてや、その原因が部下の行動だったということもあり、強い被害者意識も相まって、暴言につながってしまったと考えられる。
また、自己肯定感が低く怒りっぽい上司は「自分にできるのだから誰にでもできるはず」という思いから、「できないのはさぼっているからだ」「努力が足りない」と解釈して怒りにつながっている、とする見方もあるが、豊田氏にも少なからずそうした思いがあったのかもしれない。
いずれにしても、ひどい暴言によって他人を傷付けてしまったことに変わりはない。世間から大バッシングを受けた豊田氏は、その後猛省し、死ぬことばかり考えていた時期もあったという。しかし、自ら命を断つことによって、子供たちに「自分は母を生につなぎとめるほどの価値を持たなかったのだ」という痛みを一生抱えさせるわけにはいかないとの一心から、踏みとどまることができたと語っている。そして、自分の未熟だった部分と向き合い、家族や友人、支援者など周囲の人々に支えられながら、何とか立ち直ることができたようだ。
自分が家族や友人ら周囲から必要とされているという実感は、自己肯定感を高める上でとても重要なキーポイントになる。また、自分の好きなこと、得意なことや長所などポジティブな面を見つけて、普段からそれをより強く意識するというトレーニングにも自己肯定感を高める効果がある。そして、そういった自分の持つ特徴が活かせるような活動につなげていき、成果を実感することができれば、より自己肯定感を高めることができるだろう。
文:心理カウンセラー 吉田明日香
記事内の引用について
『婦人公論.jp』より https://fujinkoron.jp/articles/-/2072