黄金の“ミリオンセラー歌姫”を総直撃<ジュディ・オング「魅せられて」>天才作曲家・筒美京平が最も愛した渾身作 (2/2ページ)

アサ芸プラス

──阿木燿子の「好きな男の腕の中でも ちがう男の夢を見る」という刺激的な詞、羽根が舞うような華麗なドレス、そしてイントロから異国情緒漂うアレンジと、三位一体です。

ジュディ 作曲だけでなく、あのアレンジも筒美先生が「僕がやる」とおっしゃってくださって。あのあと、何度かセルフカバーもやりましたけど、どなたが編曲なさっても「♪チャチャチャチャチャチャ‥‥」の始まりからは逃れられないようです。

──そしてサビの「Wind is blowing~」と転換するフレーズ。

ジュディ あれを地声で歌うかファルセットにするか意見が分かれましたが、最終的に「ファルセットの二重録り」で広がりを持たせるようにしました。

──まさしく、エーゲ海そのもののきらめきでした。そしてこの歌を生かすために、歌番組の技術も飛躍的に向上したように思います。

ジュディ TBSの「ザ・ベストテン」ではパルテノン神殿をイメージした高さの階段から降りてきて、あまりの高さに歌い出しに間に合わなかったことも(笑)。フジの「夜のヒットスタジオ」では、クロマキーを使ってドレスにエーゲ海の景色をはめ込んだこともありました。

──歌番組史上に残る伝説ですね。まるで海の上に浮かんで歌っているように見えました。

ジュディ あまりにも波が高すぎて、テレビで見ていた私のスタッフが「ジュディさんが溺れる!」と焦ったようで(笑)。

──そして12月31日にレコード大賞を獲得。みごとに70年代そのものを締めくくった形です。

ジュディ 当時はまったくそんな意識はなかったけど、それが令和になっても愛される1曲で幸せなことです。

「黄金の“ミリオンセラー歌姫”を総直撃<ジュディ・オング「魅せられて」>天才作曲家・筒美京平が最も愛した渾身作」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2020年 11/5号筒美京平ジュディ・オングCM歌手エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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