目のお悩みを60秒で解消!?「視力回復」アイトレーニング入門

日刊大衆

写真はイメージです
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 最近、近くが見づらくなった読者に朗報。本誌を片手に簡単な目などの体操をするだけで、絶大な効果が!

 年々、最高記録を更新する日本人の平均寿命。2019年のデータによると、30年前の1989年に比べ、男女ともに約6年も、その記録を伸ばしている。だが、それと並行するように増えているのが、「老眼」の悩み。

「老眼は40代から始まりますが、日本人の平均寿命が延びた分、それで悩む期間も長くなっているんです。さらに近年は、スマホを長時間、凝視することが原因で起こる“スマホ老眼”といわれる症状が、若年層でも急増しています。ただの老化現象と侮る人も多いですが、実は老眼は、白内障や緑内障などを引き起こし、失明する恐れさえあるので、軽く考えていたら大変な目に遭います」(健康雑誌記者)

 かように、やっかいな老眼だが、その進行を遅らせ、さらには視力の向上も図れるトレーニングがあるという。そこで本誌は今回、 3人の識者に、教えを乞うた。

 最初に紹介するのが、『福与眼科医院』(東京都北区)の福与貴秀院長(医学博士)が30年以上前に発案し、自身も実践している遠近トレーニング法。下の写真を見てもらおう。

 目の前に鉛筆を立てて持ち、その鉛筆の先端と、その奥にある遠くのものを交互に見て、それぞれにピントを合わせるトレーニング法だ。1秒間隔、5往復で1セット。これを毎日3~4回行う。

 このトレーニング法を解説した『眼アイウォーキング』(メタモル出版)という著書もある福与氏自身が、なぜ、これが老眼予防になるのか、解説してくれた。

「そもそも老眼とは、眼のピントを合わせる機能が低下し、特に近くが見づらくなることを指します。その原因は、目の中でレンズの役割を果たす水晶体が、年とともに弾力がなくなり、厚みを変えられなくなること。その厚み調節をしているのが、毛様体にある毛様(体)筋という筋肉です。毛様筋は不随意筋といって、自分の意志で直接動かすことができない筋肉です。しかし、このトレーニング法で遠くを見れば毛様筋は緩み、近くを見れば伸びるわけです。このトレーニングを繰り返すことで、ちょうど、ウォーキングによって足腰が鍛えられるように、加齢などで弱った目の毛様筋を動かし、固まりかけた水晶体も動かすことができるんです」

 この鍛錬法では、鉛筆の代わりに手の指を立てて、その指先を見るなどしても構わない。また、近視で、ふだん眼鏡をかけている人は、かけたまま行うのがいいという。近視の人が裸眼でやると、もともと近くにピントが合っている眼なので、訓練にならないから――というのがその理由だ。

 仕事で外を歩いている最中などに、近くと遠くの鉄塔や山などを交互に見たり、電車の中では近くにいる人と、隣の車両の人を繰り返し見比べるなど、ふだんの生活の中で応用も効くので、思いついたときに、すぐ実行しよう。

 また、指先と遠くの対象物は、目と目との間の一直線上に並ぶようにするのがポイントだという。

「キョロキョロ眼を動かすと、最悪の場合、網膜剥離になってしまう可能性もあるからです。上下左右に動かす場合は、ゆっくりとやってください」(前同)

 なお、福与氏は現在68歳だが、軽い老眼の症状があるだけで、これまで眼鏡をかけたことがないという。さらに視力は両眼とも1.0を保っているというから、このトレーニングの老眼予防、視力回復効果は折り紙つきだ。ぜひ実践してみてほしい。

■眼球ぐるぐるトレーニングも

 次に登場する奥山公道氏(医学博士)は、東京都世田谷区の『奥ノ山医院』院長で、『目に効くトレーニング! 3Dブックマジカル』(大創出版)という著書もある近視矯正手術のパイオニア。そんな奥山氏が前出の眼トレーニングと合わせてやれば、よりベターというのが、「眼球ぐるぐるトレーニング」だ。この運動のポイントは頭を動かさず、眼球だけを回すこと。やり方は、左の写真を見てもらいたい。片方の手の指先を顔の近くに立て、まず時計回りに「右斜め上」→「右横」→「右斜め下」→「真下」→「左斜め下」→「左横」→「左斜め上」→「真上」の8点を、順に1秒ずつ凝視。終われば、次に反時計回りに同じ運動を行う。これは一日1回だけでも十分とのこと。

「この運動も、福与先生のトレーニング法と同様に、毛様筋、さらに眼球の外にある外眼筋も鍛え、ピントを合わせる調節機能をアップさせてくれます。近年、老眼の若者が増えているのは、スマホやパソコンなどで長時間、同じところだけ見ていることから、ピント調整を行う毛様筋が凝り固まってしまうためです。ですが、こうした運動は、その凝り固まった毛様筋などをほぐしてくれるんです」(奥山氏)

 この眼球グルグル運動の応用編として、迷路解きトレーニング(下の図参照)もいいだろう。

 ただし、前出の福与氏が注意点として挙げたように、急激な眼球移動は、網膜剥離のリスクもあるので、ゆっくりが基本。ご注意あれ。

■しかめっ面トレーニング法とは

 さて、奥山氏は、もう一つ、「しかめっ面トレーニング法」を紹介してくれた。目に力を入れ、顔の中央に寄せる感じでギュッと閉じる運動。2秒間閉じたら、今度は逆に思いっきり目を見開き、また、その状態を2秒間キープ。これを一日3回やるだけ。眼球ぐるぐるトレーニングと同様の効果に加え、涙腺を刺激するので、ドライアイ改善にもいいという。

 それだけではない。これらの老眼対策のトレーニングは、白内障、緑内障などの、失明のリスクさえ伴う目の重大な病気予防にもなりうるというのだ。そのメカニズムを、前出の福与氏が解説する。

「白内障は水晶体が濁った状態、緑内障は視神経が萎縮して起こります。そして水晶体が濁るのは、房水という水晶体に栄養を運ぶ血液のような働きをしている水の流れが悪くなるのも原因の一つです。その房水が作られているのが、毛様体なんです。また、視神経萎縮の原因とされる高い眼圧、血流低下にも、この毛様体が関係していると考えられます。要するに、これらの重大病は、“老眼の完成”後に起きてくるんです」

 ちなみに緑内障は40歳以上、白内障は50歳以上になると発症の可能性が高まる。しかし、今回紹介した老眼防止、視力回復のトレーニングは、これらの疾病に加えて、「黄班変性症」と呼ばれる網膜の中心部に老廃物が溜まり、見えにくくなる病気の予防にもつながり、まさに一石二鳥、いや三鳥というわけだ。

■体全体の老化予防もするべき

 これらのトレーニングを実行するだけで、かなりの効果が期待できるが、さらなる有効性を求めるなら、眼の周りのみならず、体全体の老化予防もするべきだという。『いつでもどこでも目がよくなる小さな習慣』(だいわ文庫)をはじめ、目に関する多くの著書もある整体治療院『日本リーバス』(東京都中央区)の今野清志院長が推奨するのは、以下の2つのトレーニング法。一つ目は、一日500回のジャンプだ。

「ジャンプは究極の全身運動と言えます。飛び上がって着地すると、体重の6倍ともいわれる負荷がかかり、筋肉はもちろん骨も強くできます。さらに体を上下に揺らすことで内臓が揺さぶられ、全身の器官が活気づくんです。ポイントは、ごく軽く飛ぶこと。ほんの2~3センチで十分。膝を痛めている方、住環境から振動が気になる方は、イスの背などにつかまり、かかとを上下させるだけでも十分です」

 二つ目は、ペットボトルを使った呼吸法だ。準備するのは、空にした500ミリリットルのペットボトル。その底に錐で直径2ミリの穴を3個開け、飲み口をくわえて鼻から深く息を吸ったら、6秒以上かけて口からペットボトルの中に、ゆっくり息を吐く。これを一日50回、行う。

「この運動は、呼吸筋を鍛え、全身の血流を良くするためのもの。息を吐くのに6秒以上かけるのが重要です。それ以上の時間をかけないと、呼吸筋の本数は増えませんので、ご注意ください」(同)

 今野氏が学んだ中医学では、目の老化=全身の老化を意味する。現代医学は個々のパーツしか見ないが、健康維持には体の隅々に血液、酸素が十分に行き届いていることが、まず重要で、いくら目だけ鍛えても、健康の元の血液、酸素が十分に届いていなければ治るものも治らないというわけだ。

 加えて、中医学の得意とする、目にいいマッサージ法も教えてもらった(下の図参照)。

「両眼の周囲、眼窩(目が入る頭蓋骨の穴)の骨の縁あたりを、手の人差し指から小指まで、4本の指の腹で軽く叩きましょう。このあたりは、攅竹、清明、太陽、承泣など目に関するツボが集中する部位。4本の指で叩けば、それらのツボを、まんべんなく確実に刺激できます。加えて皮膚、筋肉、骨を同時に刺激することで血流を促し、自律神経の働きを高める効果も」(同)

 以上、老眼の改善や視力の回復、さらには重大な目の病の予防に有効な、とっておきのトレーニング法を開陳してもらった。どれも本当に簡単で、ありがたいことに金もかからない。しかも、緑内障など目の重大病予防につながるだけでなく、全身も元気になるという。こりゃあ、今日から、やらない手はないでしょう!

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