三遊亭円楽「病と向き合う」インタビュー「芸人の前に病人です(笑)」 (2/2ページ)

日刊大衆

 でもね、がんのことをしゃべるとね、“がんを売り物にしている”とか“もっと苦しんでいる人がいるんだ”とか言う人もいる。だけどね、こんなものは、なっちゃったらしょうがないんだよ。悲しんで苦しんでたら、マイナスがマイナスを呼んじゃう。どこかで断ち切らないと。まず自助だよね。自分で立ち上がらなきゃ。だからさ、病を乗り越えて……いや、乗り越えてはいないな、病と明るく闘うんだよ」

桂歌丸との不思議な結びつき

「寿命が切れるまで、もがかなきゃ、しょうがない」と力強く話す円楽師匠は、生業に救われているという。

「俺がこういう商売じゃなかったらね、引きこもりになって高額医療費を使うのも申し訳ないと思って、がん治療を止めて、お医者から離れていくんじゃないかな……。今は皆さんに“笑い”という部分でお役に立てているけど、苦しいときも、もちろんあるよ。肺の5分の1を取っているからブレスが変わってるし、朝起きて薬の副作用で吐き気がある日もある。高座で1時間もしゃべれば泡を吹くしね。だけど、“これを乗り越えて、帰りに一杯やるんだ”って、小さな楽しみがあるんだよ」

 インタビュー中、ふと、「歌丸師匠も、よくやっていたよなあ」と、晩年は呼吸器をつけたまま、高座に上がり続け、18年7月2日に慢性閉塞性肺疾患のため逝去した桂歌丸さん(享年82)を、振り返った円楽さん。

笑点』での見事な掛け合いをする2人の様子は視聴者の目に焼きついているはずだが、実は円楽氏の肺がん発見の日は歌丸さんの四十九日。そして脳腫瘍が見つかったのも、歌丸さんの一周忌という、不思議な結びつきもあるという。

「お墓参りに行ってね、“呼びにきちゃダメだよ。おとなしくしててよ”って言っているんだよ(笑)。呼ばれたら呼ばれたときに行きゃあいいしね。だから本当に寿命ならしょうがない。がん告知されて落ち込んだら? それは、どん底まで落ちて、それで底を蹴らなきゃダメだよね。“しょうがねえや!”と底をポーンと蹴って、進む方向を決めるの」

 現在発売中の『週刊大衆』12月28日・1月4日号では、7月に軽度の認知症と診断された蛭子能収のインタビューも掲載している。

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