武田梨奈「10人前をペロリ」の焼肉好き女優が愛する激安チェーンの実力

日刊大衆

武田梨奈
武田梨奈

アイドル食堂・第54回 安楽亭

■瓦割りで知名度を上げた「空手黒帯」武田梨奈の焼肉愛

 アイドルだってメシを食う。当たり前の話、肉体が資本だからだ。その前提でしばし考える。日本にいるようでいないのがアクション女優だと。入口が活劇でも、みんな早々に卒業し、体を酷使した過去は遠い昔とされる。バトル満載の映画『TOKYO TRIBE』で世に出た清野菜名でさえ、「アクション女優の肩書きがすごく嫌な時期が長くあった」と、『今日から俺は!! 劇場版』でのインタビューで語っている。

 それだけ日本ではアクションが低く見られる。真田広之だって、性格俳優として認められたからこそハリウッドに挑んだ。その姉弟子の志穂美悦子は、進退について思い惑う時期に、長渕剛との結婚をあっさり決めてしまった。大げさでなく、その判断は国家的損失だった。というのも直後に、香港やハリウッドではアクション女優の時代が到来したからだ。

 ジャッキー・チェン門下のミシェル・ヨーは当然とし、シャーリーズ・セロンやアンジェリーナ・ジョリーミラ・ジョヴォヴィッチですらアクションに舵を切った。今世紀に入っての「女性上位」は、男を相手に互角かそれ以上に闘う、そんなヒロインが体現していた。従来のキャットファイト(女性同士の格闘)では話にならない。あれは単なる見世物だ。

 その点、志穂美は文字通り、男勝りの活躍を見せ、クエンティン・タランティーノなども魅了していた。彼女の引退後、2世3世の誕生を待望する映画ファンは多い。清野の台頭以前から、強い存在感を放っているのが武田梨奈だろう。なにしろ空手歴19年。黒帯(2段)の腕前である。

 2014年から放映されたセゾンカードのCMで、頭突きによる瓦割りを披露したことで、一気に知名度を上げた梨奈だが、すでに09年には映画『ハイキック・ガール!』でデビューを飾っている。なんでも、父が空手大会に出場し、負ける姿を目の当たりにし、「私が仇を取る!!」と決心を固め、道場に入門したという。まるで空手版女三四郎だ。

 最近でこそ、ドラマ『ワカコ酒』(テレビ東京系)の成功で演技の幅を広げ、もはやアクション離脱かと思わせながら、彼女はアクションへの意欲を枯らせていない。現にYouTubeではオリジナル動画も上げている。キレキレの身のこなしからは、活劇への使命感すら伝わってくる。食生活が俄然気になるところだが、17年8月11日放送の『沸騰ワード10』(日本テレビ系)で、シンプル極まりない焼肉愛を露にしていたのだった。

 番組ではまず、小学生から通い詰めているという地元の焼肉店を紹介。10人前の肉を注文し、レモン汁に浸しながら大盛りのご飯と一緒に平らげる様を披露した。途中から父と、弟でやはり俳優の武田一馬が参戦するも、両人を寄せつけないほどバクバクと肉を喰らう。

 そして翌晩には、10年近く通う格安焼肉チェーンの「安楽亭 池袋北口店」を訪問。そこで「こくうまタン」「焼きしゃぶカルビ」「ファミリーカルビ」(各480円)などを、やはりレモン汁漬けにしつつペロリ。ここでも番組演出上、親友という女優の團遥香(かの作曲家・團伊玖磨の孫)を呼びつけるが、90分で11人前の肉をほぼ1人で食べ尽くしていた。

■叙々苑1人前よりも安楽亭10人前をとる?

 さらに翌日、梨奈は「すたみな太郎」に出向き、1200円台からの食べ放題にチャレンジ。制限時間内に肉720gをレモン汁ひたひたで飯3杯を食べ切った後、口直しに豚骨ラーメンを啜る。そして、〆はまた肉だった。これらチェーンの食べ放題システムが、いかにこの大食いクィーンを救ってきたことか! そして、豪快な食べっぷりにもファンは魅了される。なにしろ体が資本だ!!

 ただ、密着4日目も再び「安楽亭 池袋北口店」で焼肉を満喫したところを見ると、同店こそ彼女の本拠地と言えるだろう。番組終盤では、彼女がご褒美に叙々苑でゴチになる展開で、そのクォリティーにも度肝抜かれていた梨奈だが、こんな台詞に本音も覗くのだった。

「カルビ、2600円もします! 一皿の値段ですか、これホントに?」

 それまで叙々苑は未体験で、「行くのが夢だった」と告白する健気さに、ディレクターも打たれての饗応。曲がりなりにもその時点で主演作もある女優。やらせと思うかもしれない。旺盛すぎる梨奈の食欲が、単に叙々苑を遠ざけていたのだ。

 そもそも叙々苑と激安チェーンとの価格差は、ものによっては数倍ある。上タン厚切塩焼3000円、特選カルビ4800円に至っては、比較対象すら見つからない。そして彼女も、つねに10人前か2人前かという選択に迫られ、舌よりも胃袋の満足に従ってきただけなのだ。

 正直、ぼくも過去に上役のおごりで、叙々苑には何度か行ったが、ランチ以外で自ら足を向けようと思った試しがない。それよりも最近、激安チェーンの比較取材をし、十数年ぶりに食した安楽亭のコスパの高さに感嘆。即座にリピートを誓ったばかりだ。

 一方、彼女の安楽亭びいきは女優デビュー時からのこと。ファンも「今でも毎月食べているという安楽亭の特盛りランチは高校生の頃のブログにも出てくるよ」、と2ちゃんねるで書き付けていた。本人も上記テレビ出演の前年、16年2月のTwitterにこう記し、写真を貼付した。

「ちなみに『特盛ランチはどんな感じ?』という質問が多かったので一応貼っておきます。安楽亭様です。」

 写真を見る限り、「特盛りダブルカルビ250ランチ」(1180円税抜)のようだ。ファミリーカルビ125g・豚カルビ125gの肉々しい王道路線。スープは250円足し、ユッケジャンに変えている。これはもう漢のチョイスだ。

 今はまだ、他のチェーンも回らねばならない自分も、お得が皿いっぱいに並ぶ、この豪快な写真にはやられてしまう。男には一人、黙々と焼肉に向かい合わねばならない時がある。いわんや女においては……。そして、お互い黙って、目指すは安楽亭である。

(取材・文=鈴木隆祐)

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