迷信?はたまた先人の知恵?日本で大流行したあの疫病と「赤色」の奇妙で不思議な関係 (2/5ページ)

Japaaan

そして、特に強力な霊力を持つとされていた色が「赤」です。

昔の人々にとって、赤色は「火」「日」そして「血」を象徴するものでした。この三つはそれぞれ神聖なものであると同時に、密接なつながりがあると考えられていました。

「火」と「日」のつながりはなんとなくイメージが湧きますが、「血」についてはどうでしょうか。例えば『日本書紀』では、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が軻遇突智命(かぐつちのみこと)を斬った際、血が石や草木に付着し、これが「火」を発するもとになったとあります。

またつい最近まで、地方によっては血縁者を「火を喰う者」と呼んだり、女性の月経が止まることを「火止まり」と呼ぶ風習があったようです。

このように、古代日本においては、血・火・日はイメージ上の強い結びつきがありました。

余談ですが、太陽つまり「日」の色を「赤」と見る民族は珍しいようです。西欧では太陽の色は「黄」と見られており、日本人は太陽信仰の影響から「日」と赤い色を結び付けてイメージしたのかも知れません。

さて、かつての日本で大流行した疫病の中でも、何よりもこの霊験あらたかな赤色が効くと信じられていたものがあります。

それは「疱瘡(ほうそう)」です。

皆さんは、疱瘡はご存じでしょうか。「天然痘」の呼び名の方がピンとくる方も多いかも知れません。

これは紀元前の時代から知られていた疫病で、感染力が強く致死率も大変高い病気でした。

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