葛飾北斎の妖怪からモフモフ化け猫まで!思わずゾクっとする、浮世絵で見る妖怪たち (5/7ページ)
もふもふ!思わず触りたくなる化け猫・狐
《東海道五十三次之内 白須賀 猫塚》歌川国貞
もふもふ!
この絵の凄いところは、繊細に彫られたもふもふふわふわの毛です。
下絵の段階では髪など細かい線は書かれていないので、細部の彫りは彫師次第になります。
中でも1番難しいのは髪の毛の表現=毛割り(けわり)で、1mmの内に何本もの細い毛の線を彫る、0.1mm単位の作業になります。
そのため彫師の中でも最も熟練した者が毛割りを担当しましたが、この絵は細くて長い毛が大量に彫られているので、ただでさえ難しい毛割の中でも特に高い技術が求められました。
その甲斐あって、発売当初から世間の評判も上々でした。
担当した彫師は「彫巳の」こと小泉巳之吉で、絵の右側に名前も入っています。
浮世絵に彫師の名前が入るのは珍しいので、本当に凄いことです。