地獄、死霊…。ホントはちょっと怖い「お盆」や「盆踊り」の起源を探る (2/3ページ)
このお盆の儀式のことは、正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)と呼びます。
使われている漢字もケッタイなら読み方も妙ちくりんですが、それもそのはず、この言葉の語源はサンスクリット語の「ウランバナ」なのです。
で、この「ウラバンナ」には、実は私たちの持つお盆のイメージからは程遠い意味があるのです。
それは「餓鬼道に堕ちて逆さ吊りにされ、苦しみもがいていること」なのです。
母親を地獄から救うこのウラバンナという言葉の由来は、以下のような故事に基づきます。
お釈迦様の弟子に、目連という人物がいました。
彼は、原始仏教教団の長老の一人として「十大弟子」に列せられ、さらにその中でも舎利弗と並ぶ二大弟子として活躍した人物です。
また、優れた神通力の使い手でもありました。
その彼が、亡くなった自分の母親があの世で「餓鬼界」行きとなり、逆さに吊るされて飢えていることを超能力で知ります。
「母親を救ってやりたい」と、彼はお釈迦様に相談しました。すると、
「七月五日 (現在の八月五日) に、僧侶たちにお布施をして食事を差し出しなさい。するとその食事の一部が地獄にいる母親の口にも届き、苦しみから解放されるでしょう」という答えが返ってきました。
さっそく、目連は言われた通りに僧侶たちを歓待しお布施を施します。するとお釈迦様の言った通り、母親は餓鬼界から助け出されました。
これが日本の「お盆」の由来なのです。もともとは地獄に堕ちた死者を救った故事にもとづいているのです。
日本では、今でもお盆の時期に「施餓鬼供養」という法会を行うお寺がたくさんあります。
「盆踊り」の起源も実は…ちなみに、目連によって餓鬼道から救われた母親は、歓喜の踊りを踊りながら天に上っていったとされています。これが「盆踊り」の起源です。
そう、私たちにとってお馴染みの「盆踊り」は、もともとは死者の踊りなのです。