「夜中に爪を切ってはいけない」理由とは?その由来は?合理的根拠はあるのか (2/3ページ)
江戸時代には儒教の教えが広まり、爪は親からの授かりものであるから、夜中に爪を切ることは親からの授かりものを粗末に扱うことになる、とも考えられました。
他にも、夜に人間の爪を食べるという中国の鳥の妖怪「姑獲鳥(こかくちょう)」への怖れに由来しているという説もありますが、むしろ人間の身体から切り離された「爪」への忌避感情が先にあるから、こうした話が生まれたと考えるべきでしょう。
「夜中に爪を切らない」ことの合理性では次は少し視点を変えて、「夜中に爪を切ってはいけない」科学的な根拠はあるのでしょうか。
現代のように照明の発達していない時代は、外から差しこむ月の光やろうそくのような明かりだけが頼りでした。
そのようなほのかな明かりでは、手元を鮮明に確認することは難しかったことでしょう。
かつて、爪を切る際は小刀などの刃物を使っていたので、薄暗い中での爪切りは怪我の元でした。また、その傷口から黴菌が入れば破傷風などの大きな病気に繋がりかねません。
現代では、真っ暗な夜でもスイッチ一つで部屋は明るくなり、安全性が高い形状の爪切りをが広く行き渡っているので、今では想像もつかない話です。
しかし、当時はこのように怪我の予防という観点からも「夜中に爪を切ってはいけない」といわれるようになり、それが現代に残っているのかも知れません。
そう考えると「夜中に爪を切ってはいけない」ことの合理性もある程度は納得がいきます。