美しき女武者・巴御前が愛する人々と別離の悲しみを詠んだ和歌がこちら【鎌倉殿の13人】 (3/4ページ)
それが遅いか早いかだけで、いちいち悲しむ必要などない……と理屈では知りながら、いざその場に臨めば涙が止まらないのが人情というもの。
愛する者たちの菩提を弔うため、巴御前は和田一族の滅亡後に越中国礪波郡(現:富山県南砺市)へ移住。かつて義仲の郎党であった石黒氏に身を寄せ、91歳で天寿を全うしたと言われます。
終わりに……先だちし人ゞの不運を悲涙して無常を観じ古の歌を詠じ尼と奈りて越中の国にて庵室をむすびてタるに人ゞのボだいをいのり九十一歳にて臨終めでたくおうじやうせしと可や
※『英雄百首』巴女
【意訳】先だった義仲たちの不運を悲しんだ巴御前は、世の無常をかんじてこの和歌を詠みました。出家した巴御前は越中国に庵を結んでその菩提を弔い、91歳で安らかに往生したとのこと。