「副総理、そんなにはっきりやっちゃっていいのか、とは思いましたね」長澤まさみ主演『エルピス』の現場で【俳優・山路和弘独占インタビュー】(2)

日刊大衆

山路和弘さん
山路和弘さん

 俳優・山路和弘の活躍は幅広い。テレビを見ていれば、一度はその声を耳にしたことがあるはずだ。アル・パチーノやジェイソン・ステイサム、ゲイリー・オールドマンといった名だたる海外俳優の吹き替えを務め、声優としても『SPY×FAMILY』『ONE PIECE』といった作品に参加。
 かと思えば、俳優として2022年上半期のNHK連続テレビ小説ちむどんどん』で、主人公一家の良き隣人・前田善一役、10月からの『エルピス-希望、あるいは災い-』(フジテレビ系)では、長澤まさみ眞栄田郷敦の前に立ちはだかる大門雄二副総理を演じている。
人の心を動かす俳優の深奥にあるものはーー。【第2回/全4回】

 山路さんは、10月スタートの『エルピス』では朝ドラからは一転して“悪い政治家”大門副総理役を演じている。大きな話題を呼んだドラマ『エルピス』の現場で起きていたこととはーー。

――『エルピス』での大門雄二副総理という悪役は鮮やかで、第1話の登場時、帽子を斜めに被った姿が印象的でした。

 第1話は、まだ善一さんの頭(※長髪)だったので、髪を上げて帽子にしまってました。

――そういえば8月ごろに髪を切ったとツイートされていました。

 うん。あれでやっと『エルピス』(の撮影)が始まったみたいなとこがありましたね。

――同作品では、安倍晋三元首相が原子力発電所が「アンダーコントロール」だと東京オリンピックの招致に臨んだり、菅義偉前首相が「令和」という元号を発表する実際のニュース映像を使用したり、リアルとフィクションが織り交ぜられて描かれています。大門副総理という役について、台本を読んだときどう思いましたか?

 台本読んだ時は、まあ政治家で、そういう”裏”がある人で……という風に思ったんですけど、現場で大根仁監督が急に”この人っぽくいってくれませんか”ということになり、ああいうキャラになったわけですね。

 台本を読んでいる時は、”副総理”というのにちょっと引っかかってはいたんですけど……。そんなにはっきりやっちゃっていいのかよって、もう自分でちょっと驚きました。でも、やり出したら面白いので。口なんか曲がっちゃってるしね。

■鈴木亮平の役作りに「驚いたこと」とは?

――第1話では、鈴木亮平さん演じる大洋テレビの官邸キャップ・斎藤正一が「森友止めてます」と山路さん演じる大門に言い、大門が「当たり前だろ!」と、感じ悪く返す場面がありました。『ちむどんどん』とは180度変わった悪人ですが、周囲から反響はありましたか?

 まあ確かに、悪いのが出てくると、知り合いからLINEが来ますね。"あーまた悪い人やってる”って(笑)。

 ただ、僕は大根監督がすごく好きなので、やっぱり楽しかったです。撮影では、台本に何にも書いてないところで”はい、ここ大門います”と急に言われて、他の人がメインのシーンで自分もいなきゃいけないとか、”あ、ここでこう喋ります"といったことが前日に来たりしました。

――長澤まさみさんや、眞栄田郷敦さんとは現場でお会いしましたか?

 2人と一緒の撮影はなくて、鈴木くんばっかりでした。

 鈴木くんは、やっぱり今までこのドラマのために色々やっていたんですよね。テレビ局の報道部の記者で、政治家と仲が良くて……っていう人物を演じるにあたって取材をしていて。
その取材をこう、自分で思い返しながら役に入っているっていう時間がありました。そうした場面を見て、すごくいい役者だなと思いました。

■プロフィール
山路和弘(やまじ・かずひろ)
1954年6月4日生まれ、三重県伊賀市出身。1979年、劇団青年座に入団。俳優、声優、ナレーションなど幅広く活躍。2010年度第36回菊田一夫演劇賞の演劇賞を受賞。2017年度毎日芸術賞を受賞。また、2021年3月、第15回声優アワードで外国映画・ドラマ賞を受賞している。吹替の担当俳優はジェイソン・ステイサム、ウィレム・デフォー、アル・パチーノ、ゲイリー・オールドマンなど多数担当している。

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