〈監修・河野俊一氏にきく〉「“覚えて使っていく力”を伸ばせば視界が広がる、算数はそんな教科だと思います」 (2/5ページ)

バリュープレス



Q 計算力を伸ばすポイントは?
A 概念を理解することが大切なのは言うまでもありませんが、概念と計算力は別の力だと考えています。計算力を伸ばすキーポイントは、計算に欠かせない基礎をまず覚えるということです。九九にしても覚えなければ使えないわけで、それと同じです。足し算、引き算では「次の数」「たして10になる数」がそれにあたります。ですから、それを最初に覚え、次に足し算、引き算の基本的な組み合わせを覚えていくと、上達が早いです。3+6と6+3が同じということも子どもは理解していきます。

Q 「計算式一つひとつは小さな公式だ」ということですね。
A そうです。たとえば、長方形や円などの面積を求めるとき、私たちは最初に公式を覚えて使っています。計算も公式のように覚えていけばいいのではないでしょうか。覚えるということは、+や-や=の意味がわかり、数式を口に出して言い、見て、書くなど、五感を使った一連の作業を前提にしています。私どもの教室で学ぶ就学前の子ども、しかも「発達障害」と言われた子どもでさえも、このドリルで紹介するやり方を続けると、1年足らずで繰り上がり・繰り下がりの計算まで到達できます。一般の子どもならもっと高い効果が現れるのではないでしょうか。

Q 概念の説明はあとからでも大丈夫ということですね。
A 最初は訳がわからなくても覚えていけば、やり方がわかり、問題がさっと解けるようになります。概念も並行して教えていくのですが、実際に自立してできる計算力があれば概念の理解も早くなります。そして、次の段階へ一気に進むこともできます。学習を続けるうちに「理屈はそういうことか」とわかってくるのではないでしょうか。“覚えて使っていく力”を伸ばせば視界が広がる、算数はそんな教科だと思います。

Q このドリルを使ううえでの注意点は?
A このドリルの目的は、すでに紹介したように、「しっかり使える計算力を育てよう」です。ただし、数字を書きなぐったり時間をかけたりしていては意味がありません。「学習とは何か」というテーマに関係しますが、数字を丁寧に書く、しかも短時間に仕上げる、それによって集中力や持続力にもつながるという事実です。
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