「愛する男を抱いたこの手がさぞ憎かろう」狂おしく咲き乱れた江戸時代の衆道『男色大鏡』【前編】 (2/4ページ)

Japaaan

※浮世草紙:江戸時代誕生した作品の形式で、当時の風俗や諸相を描いたもの

武家社会と町人社会の男色を描く

 女形の陰間(歌舞伎役者修業中の少年など)が男性と接吻する様を描いた宮川一笑による掛物絵(写真:wikipedia)

井原西鶴の「男色大鏡」は、1687年(貞享4年)徳川綱吉が江戸幕府の将軍であった頃に誕生。全8巻にわたる大作で、前半4巻は武家社会における衆道、後半巻では町人社会の歌舞伎若衆の男色を描いています。

戦国時代から引き継がれてきた、精神的なつながりも重んじる、武士同士・主君と小姓などの衆道。そして、若衆方や若女形など美貌の歌舞伎若衆が舞台後、夜は茶屋にて客を相手に性のお勤めをする男色など、さまざまな階級にいる男性たちの愛を取り上げたものです。読者の多くは男性だったそうで、一冊読んだらまた次の一冊が読みたくなる……そんな中毒性のある読み物だったのではないでしょうか。

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