無職から鬼へ!己の弱点ばかり申し立て武田信玄に仕えた無双の武士・比田武右衛門とは何者?

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無職から鬼へ!己の弱点ばかり申し立て武田信玄に仕えた無双の武士・比田武右衛門とは何者?

2024年1月2日に放送された「義母と娘のブルース FINAL 2024年 謹賀新年スペシャル」をご覧になりましたか。

今回の放送では、大学卒業を目前にして就職活動をしていない娘・宮本みゆきと母・宮本亜希子のドタバタコメディが繰り広げられます。

元バリキャリである母・宮本亜希子は、娘の将来を杞憂し、就活特訓を開始。その途中で「武田信玄は、自分の欠点ばかりを申し立てる比田武右衛門という牢人を相当な男と取り立てたといいます。つまり就活の第一歩は己を知ること」と説明するシーンがりました。

今回は、この「比田武右衛門」という人物について掘り下げていきたいと思います。

比田武右衛門のイメージ

無職の武士

比田武右衛門は、主人を失い路頭に迷う牢人のひとりでした。牢人とは、現代でいうところの無職。職を失ってしまえば、就職先(主人)を探す必要があります。

ただ、当時は国内屈指の内乱期であり、召し抱えてもらえない牢人も多かったようです。拾ってもらえなかった牢人は、山賊や盗賊になるしかありませんでした。

つまり、有名な武将に召し抱えてもらうには、自身の武功や戦果をこれでもかと語って認められる必要があったのです。

しかし、比田武右衛門という男は、肝心な面接時に自身の失敗や悪行といったマイナス発言ばかりを繰り返すとんでもない武士だったといいます。

比田武右衛門のエピソード

失業中の比田武右衛門は、戦国時代きっての常勝軍団をまとめ上げた「武田信玄」に召し抱えてもらおうと、担当の武者奉行のもとへ訪れます。

担当の武者奉行が、これまでの比田武右衛門の功績や戦果を訪ねたときのこと。比田武右衛門は、合戦時の自身の失敗や悪行を次々に語ったのです。

これには、比田武右衛門の世話役も「なぜ余計なことばかり発言するのか!そのようなことを発言して召し抱えてもらえると思っているのか!」と大激怒。

しかし、比田武右衛門は「いやいや、かの武田信玄様ならこのような自分のことでも理解を示してくれるでしょう」と語ったのです。

担当の武者奉行は、このことをありのまま武田信玄に話しました。

武田信玄

これを聞いた武田信玄は、「過去の功績は飾り立ててアピールすべきだが、己の弱点ばかりを申していても活躍できると思っているのが面白い。なかなかに器量が察せられるではないか」と比田武右衛門の雇用を決断。

さらに、比田武右衛門と直々に対面し、相当な賃金の支払いを約束したのです。

武田の鬼

比田武右衛門は、武田家に仕えてから無双の快進撃を繰り広げました。

のちには「武田の鬼」として恐れられ、戦国の世で武田信玄に仕えたと記録されています。

戦国の世を馳せた名武将・武田信玄の目に狂いはなかったということでしょう。

もうすぐ春ということで、新環境で働くことになる方や就職活動を意識する方も増えてくると思います。自身の力を最大限に発揮して、スタートダッシュを決めたいという方は、比田武右衛門のように「己の弱点を知る」ことからはじめてみるのも良いかもしれませんね。

トップ画像はイメージ:幕末に生まれ日本の姿をリアルに撮影し続けた写真家「T・エナミ」古写真

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