紫式部『源氏物語』の主人公のモデル候補、多すぎ問題…議論に上がる人物を一挙紹介!【後編】

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紫式部『源氏物語』の主人公のモデル候補、多すぎ問題…議論に上がる人物を一挙紹介!【後編】

2024年の大河ドラマ『光る君へ』。その主人公は1000年を越えるベストセラー『源氏物語』を生み出した紫式部です。大河ドラマのなかで『源氏物語』が劇中劇のような形で出てくる可能性は低そうですが、それでも、ドラマをきっかけに『源氏物語』に興味を持つ方は多いと予想されます。

今回の記事では、そんな『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルとなったとされる候補の人物を一挙にご紹介していきたいと思います。

「源」姓のつく人物をご紹介した前編、「藤原」の姓がつく人物をご紹介した中編に続き、今回は後編としてさまざまな人物3名をご紹介します。

※これまでの記事:

紫式部『源氏物語』の主人公のモデル候補、多すぎ問題…議論に上がる人物を一挙紹介!【前編】

紫式部『源氏物語』の主人公のモデル候補、多すぎ問題…議論に上がる人物を一挙紹介!【中編】

光孝天皇(こうこうてんのう)

仁明天皇の第3皇子として生まれた光孝天皇。臣籍降下はしていませんが、和歌などに優れ、文化人だったと言われています。百人一首にも「君がため 春の野に出て 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」という歌が収められています。

また、光源氏と同じく、光孝天皇も幼くして母を亡くしています。

さらに、外国から来た人相見に人相鑑定を受けているということも光源氏と共通しています。この共通点は、他のモデル候補とは一味違っているのではないでしょうか。鑑定の通り、光孝天皇は55歳で天皇に即位しています。

宇多天皇(うだてんのう)

宇多天皇は先ほどご紹介した光孝天皇の皇子。光源氏との共通点は、彼もまた臣籍降下していったん源氏姓をたまわりました(その後、天皇として即位)。

また、『今昔物語集』には、宇多天皇のエピソードが書かれているのですが、それが『源氏物語』における光源氏と夕顔のエピソードに似ているという点もあります。

伊勢物語でも有名!在原業平(ありわらのなりひら)

最後にご紹介する光源氏のモデル候補は、在原業平です。

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平安時代初期の貴族で、有名な『伊勢物語』の主人公とされています。皇族の両親のもとに生まれますが、彼もまた臣籍降下しています。

また、平安時代の歴史書『日本三大実録』によれば、彼はかなりのイケメンだったとか。さまざまな女性との浮名を流します。また、秀でた和歌の才能にも恵まれていました。在原業平が関係を持ったとされる女性は、身分も立場もさまざま。その点も光源氏と共通していますよね。

ちなみに、在原業平は藤原高子とのスキャンダルのあと、関東へ下ります。これが有名な「東下り」ですが、この話は光源氏が須磨に流される話のモデルになったとも言われています。

いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。

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