KADOKAWA・DWANGOがネットの高校設立 ふつうの高校生になって将来どうするの?
老舗大手出版社のKADOKAWAと、IT企業・ドワンゴの経営統合によって創業を開始した株式会社KADOKAWA・DWANGOが、新たな教育事業として、ITを活用した双方向から授業を受けられる通信制高校「ネットの高校」を2016年春に設立する計画を7月9日(木)に発表した。
本事業では、学生が自分のやりたいことを見つけ、得意な分野を伸ばせるような環境を提供し、双方向性をそなえた学習プラットフォームを提供するほか、各業界で活躍するプロによる課外授業、地方自治体と連携した職業体験などを実施する。
YouTubeに投稿された同事業のコンセプト動画では、演歌歌手の小林幸子さんや「ロックマン」シリーズのディレクションなどで知られるゲームクリエイターの稲船敬二さん、さらに将棋棋士の羽生善治さん、ファッションブランド・FIG&VIPERのクリエイティブディレクター・植野有砂さんなど、さまざまな分野の一線で活躍する著名人が応援のコメントを寄せている。
コンテンツ力×IT発信力で教育事業に進出
KADOKAWA・DWANGOは、KADOKAWAによる出版や映像などのコンテンツ力と、DWANGOによるネットワーク・エンタテイメント分野の発信力をもとに「世界に類のないコンテンツプラットフォーム」の確立を目指す新会社として、2014年10月に設立。
今回は、同社の「エンターテイメント性」と「IT技術」を活用し、インターネットやパソコンに慣れ親しんでいる「デジタルネイティブ世代」の子どもに向けた高等学校の設立を発表した。
同社は、不登校の生徒が以前高い割合で存在していることや、インターネットを活用した教育システムの効率化の必要性に注目。生徒が自由かつ早い段階でやりたいことを見つけ、得意分野を伸ばせる環境づくりを目指していくという。
早期に社会性を見につける活動として、全国の地方自治体と連携したさまざまな職種の職業体験を実施。現実社会でのつながりの構築や、若手の人材不足問題を抱える地方とのマッチングを図ることを目指している。
さらに、同社のグループ企業で教育事業を手がける株式会社バンタンと共同で、IT教育(プログラミング、リテラシー)のほか、有名ライトノベル作家や、ゲームクリエイター、デザイナー、経営者など、ジャンルを問わず、第一線で活躍するプロたちが講師となった課外授業も展開するという。
2016年春の開校をめどに準備が進められているとのことなので、続報を待ちたいところだ。