開業目前の北海道新幹線…“北陸”より盛り上がらないワケ (2/2ページ)

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 さらに函館市は1990年代から国道沿いに大型量販店などが並ぶ典型的な郊外化都市になり、中心市街地の空洞化が進んでいる。表玄関となる函館駅周辺は市役所やホテルなどが立ち並んでいるが、新市街地へは自動車がないとアクセスすることは難しい。

 函館の街のつくりが北海道新幹線の新函館北斗駅まで延伸する期待感を薄めている要因になっている。ある函館市職員は言う。

「函館市民の足と言えば函館市電になりますが、旧市街地に路線が敷かれていて時代に合っていない。昔から函館空港への延伸や新市街地に新路線を建設する計画はありましたが、いっこうに進んでいません」

 行政がモタモタしているうちに、新幹線の方が先に来てしまった。このままでは、人の流れは新幹線駅のある北斗市に奪われてしまうだろう。異国情緒あふれる函館市は観光客からも高い人気を得ている。

 新幹線という黒船襲来は、長らく道南の拠点都市として発展してきた函館市の落日を加速させるのか、それともチャンス到来となるのか?

(取材・文/小川裕夫)

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