前回のコラムでは、勤務先の社長や会社から借金をした場合、その返済を毎月の給料から天引をしていくことが、法的に問題があるかどうかを取り扱った。
話を伺った塩澤彰也弁護士によると、社長個人から借りた場合は天引は許されないとのこと。
では会社から借りた場合はどうなるか。これも社長個人から借りるのと同様に、原則認められないという。しかし従業員自らが天引きすることに合意した上でお金を借り、更にそれが不当に労働を強いる性質でないならば天引も認められるとのこと。
では、もしも会社が倒産した場合は、その借金の返済義務はどうなるのだろうか。前回同様、塩澤彰也弁護士に伺った。
■倒産しても返済義務は残る!
「社長から借りていた場合でも、会社から借りていた場合でも、借金の返済義務は、当然、継続します。社長がいなくなったり、会社が事実上の倒産になった場合に、事実上、請求されなくなることはあっても、時効期間が経過するなどでない限り、法律上、借金の返済義務はなくなりません」(塩澤彰也弁護士)
「ただし、会社や社長が、裁判所を通した破産手続きなどを行った場合に、その破産手続きの中で、残金60万円(毎月3万円の分割払い)の借金について、20万円一括で返済すれば残額は免除、となるようなことはあります」(塩澤彰也弁護士)
借金をしていた従業員自身が破産をしたり、時効が経過しないかぎり返済義務はなくならないという。
■破産しても全ての借金がチャラになるわけではない!
ちなみに自己破産をしても返済義務が残る借金も存在する。つまり破産しても全てがチャラになるというわけではないのだ。では具体的にどんな借金が残るのかは以下を確認されたい。
(1)租税等の請求権。固定資産税や住民税、健康保険税など。
(2)破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権。第三者を騙してお金を取得したような場合など。
(3)破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権。飲酒運転による交通事故の損害賠償など。
(4)家族間の扶養義務に係る請求権。養育費や、婚姻費用分担費用など。
(5)雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権。
(6)破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権。
(7)罰金などの請求権。
勤務先の社長から借金をしていた場合、もしもその会社が倒産したら返済義務はどうなる?!
2015.08.14 19:00
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