専門的な話になりますが、税法の勉強の中で必ず指摘される論点の一つに、「詐欺や盗難など、違法な行為によって儲かったお金についても、税金はかかる」という考えがあります。お金を稼いだ人が税金を納めることになるため、このような犯罪行為を基にお金を儲けたとしても、税金は課税されることになります。
何より、このようなお金に税金をかけないとなると、犯罪行為を行ったほうが税金が優遇される、という結論になるわけで、課税の公平という考え方からも、至極当然の話と言われます。
■どうして暴力団への課税漏れが起こる?!
この考え方は税の専門家にとっては常識であるところ、前回も指摘しましたとおり、暴力団に対する課税もれが生じているという現実はどうにも納得しがたいところです。法律上、会費が原則非課税になる人格のない社団等に暴力団が該当するため、と説明を受けても、それを許す制度などあってはならないはずです。
こういうわけで、このような課税制度を問題にせず、法律を作る政治家が放置してきたとすれば、正気の沙汰とは思えないと考えています。
■十分に機能していない暴力団への税務調査
この点、税務署は暴力団関係者に対しても、税務調査を実施しています。私が聞いたところだと、税務署によっては、このような団体を調査する専門部署もあるようです。
ただし、税務調査は納税者の協力の基に行う任意調査であるところ、自ずと限界があることは否定できません。加えて、税務署の職員は単なる公務員であることが多いですから、租税正義より保身を優先させざるを得ないため、正気の沙汰とは思えない事態が結果として容認されてきた、と考えられます。
■組長の個人所得として課税
このような事情がありますので、福岡の暴力団に対する課税事件は、画期的なものと指摘されています。暴力団に対して課税してしまうと、人格のない社団等として逃げられるため、上納金は暴力団が儲けたお金ではなく、組長個人が儲けたお金、として課税した模様です。
ただし、組長個人が儲けたお金とするのであれば、税務署は暴力団の資金ではなく、組長個人が自由に使えるお金であることを、正確に立証しなければなりません。このような立証は非常に難しく、言い逃れされる可能性もある、と考えられます。
わざわざこんな面倒なことを行わなければ正しいことができない、というのも、日本の税制のおかしなところなのです。
暴力団根絶へ一気に加速か?組長逮捕&暴力団マネー回収の可能性もある上納金への課税とは?
2015.08.15 19:00
|
相談LINE
ピックアップ PR
ランキング
総合
社会
1
暑~い夏に、リス&カワウソたちに冷たいプレゼント 仙台うみの杜水族館の企画がやさしい【7/31~8/23】
Jタウンネット
2
ペンギンも〝夏の風物詩〟満喫中 あわしまマリンパークの恒例イベントに2.2万興奮「ずっと見てたい」
Jタウンネット
3
医師はいるのに「受診できない」――医療アクセスの盲点とは
TREND NEWS CASTER
4
飲食店を支える「業務用中華点心」 人手不足時代の新たな市場価値を読み解く
TREND NEWS CASTER
5
地域産品は「物語」で価格競争を抜け出せるか、500件超の商談から見えた地方ECの課題
TREND NEWS CASTER
6
スマホ時代に見直される「眼鏡の選び方」、度数だけでは解消できない目の負担とは
TREND NEWS CASTER
7
人的資本開示、進んだはずが現場は「手作業」 上場企業の7割が直面する意外な壁
TREND NEWS CASTER
8
資材高と職人不足で揺れる住宅市場、地場工務店は生き残れるか
TREND NEWS CASTER
9
年間56万トンのアパレル廃棄と女性の副業ニーズをつなぐ、「Re:che」が挑む循環型ビジネスの持続性
TREND NEWS CASTER
10
猛暑でもファン付き作業服が使えない…「防爆エリア」の知られざる熱中症リスク
TREND NEWS CASTER