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かつて日本に“電卓戦争”と呼ばれる現象があった。
これはシャープとカシオが、より小型の計算機の開発を競った末に、エレクトロニクス分野が急成長したというものだ。我々は普段、パソコンやモバイル機器などを使うことによって毎日“液晶”に触れている。この液晶の技術は、まさに電卓戦争が築き上げたものだ。
そのような現象が、今まさに発生している。
筆者が読者の皆様に度々お伝えしている、Uberとそれを取り囲む世界のタクシー業界がまさにそれだ。ところにより“疫病神”のような扱いを受けるUberは、実は既存タクシー企業にとっての“カンフル注射”ではないのか。もっともこんなことを言うと、世界中のタクシードライバーに怒鳴られそうだ。
だが、今まで怠慢を貪ってきた彼らを突き上げ、より良いサービスを否が応でも追求させたという功績がUberにはある。
これこそが、まさに“健全な資本主義”ではないか。
■ Uberからの突き上げ
インドネシアに『ブルーバードグループ』というタクシー企業がある。同国最大の車両保有数を誇る会社だ。
半年サイクルで日本とインドネシアを往復している筆者は、この9月にジャカルタへ戻ってきた。その時にまず感じたのが、同地の配車サービス業界の劇的な変化である。
まず、市民がタクシーを呼ぶのに車道へ向け手をかざすことがなくなった。代わりにスマートフォンを使い、ブルーバードが提供するアプリで車両を手配する。そのほうが当然会計が明瞭で、小銭を持ち歩かずに済む。インドネシアの通貨ルピアは、1997年のアジア通貨危機の影響で単位が非常に大きい。そういった国は慢性的な小銭不足という問題を抱えていることから、ドライバーからしてもキャッシュレス決済は非常に魅力的なのだ。