「景気はいいですか?」
「儲かっていますか?」
関西では、こんなセリフをあいさつ代わりに交わしているという話、よく聞きますよね。
でも返事は決まって「いやー、全然です」とか「ボチボチです」というもので、「景気、いいですね!」なんて、それこそ景気のいい答えが返ってくることはほとんどありません。
でも、それはなぜなんでしょうか……?
そんな謎を解明してくれるのが、髙橋秀実さんの『損したくないニッポン人』(講談社)。
「損したくない」というフレーズに思わず「わかる~!」と反応してしまいませんか?
いつから日本人は、「損したくない病」に支配されるようになったのでしょうか? 節約、通販、ママ友ランチ、不動産、リスクヘッジ、結婚などなど、縦横無尽に「損したくないニッポン人」に迫っていく本書から、お金にまつわる「損したくないニッポン人」の心のうちを探ってみましょう。
■1:日本人は損したくないからほどほどを求める
日本人の胃袋を満たす主食だけに、スーパーの陳列棚には、産地別に多種多様なお米が並んでいます。
たとえば2kg詰めの場合、最高値の「特別栽培米 新潟魚沼こしひかり」(1,880円)から最安値の「北海道ななつぼし」(900円)までズラリ14種。
「2kgで1,880円は高すぎないか?」いちばん安い900円でいいかと思ったけれど、値段の安さが味の「安っぽさ」を保証しているような気がして、その隣の「あきたこまち」(950円)に目を戻すと、値札はあるものの品切れ中。
「しまった、これが人気なのか!」と、やむなくその隣の「宮城ひとめぼれ」(1150円)を手にする著者。最安値から3番目。
このあたりが無難かと、自分にいい聞かせながら気づいたのが、有名ファッションブランド「エルメス」と同じ戦略だということ。
店頭で33万ドルの腕時計を見てため息をついた後なら、5,000ドルの腕時計がお手ごろ価格に思えてくるという戦略なのだそうです。
極端に高くもないけど、無闇に安くもない。「ほどほど」を選択するのが人情というもの。