期待に違わぬ衝撃のバックスクリーン弾からわずか数時間後、「バックから実弾発見」という想定外の衝撃。見たかった「弾」はそっちじゃなかったのに……。2月22日、ロッテ期待の新外国人選手、ヤマイコ・ナバーロが拳銃の実包(いわゆる実弾のこと)を所持していたとして銃刀法違反の疑いで逮捕された。清原騒動醒めやらぬ中、野球界にまた衝撃が走ってしまった。
ナバーロはドミニカ共和国出身。昨季は韓国プロ野球で48本塁打を放った大砲で、ユニークなヒゲも相まって人気急上昇中だった。それだけに、球団やファンのショックはいかばかりか。ドミニカでは銃の所持が法律で認められているため、誤って荷物に紛れ込んでいた、という報道がなされている。だが、球団としても何らかの処分は下さざるを得ないだろう。
過去にも外国人助っ人の逮捕トラブルで球団が慌てふためいたケースはいくつかある。他山の石としないためにも、今一度ここで振り返っておこう。
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■銃刀法違反容疑 マキシモ・ネルソン(中日)
今回のケースともっとも近しい事例が、元中日のマキシモ・ネルソンだ。2010年2月26日、春季キャンプ地の沖縄から名古屋へ戻る飛行機に乗る際の手荷物検査で実弾が見つかり、銃刀法違反容疑で逮捕された。
ネルソンもナバーロ同様ドミニカ共和国出身。「母国では野球選手は襲われることが多く、護身用として所有していた」と釈明。警察も「故意の可能性は低い」として翌日に釈放したが、球団は独自に3カ月の出場停止処分をネルソンに課した。
【その後のネルソン】
同年6月、謹慎期間が終わると1軍に合流。前年までの2年間32試合登板でわずか1勝のネルソンだったが、この騒動がいいプレッシャーとなったのか覚醒。シーズン途中からにもかかわらず、初完封を含む4勝を挙げ、翌年は開幕投手に抜擢されるまでに信頼を回復し、シーズン10勝(14敗)を挙げた。2012年限りで退団。