深夜残業を行うと通常より多くなる残業代の割増率が上がって、給与の額が大きく上がります。深夜残業代の計算方法を知れば、深夜残業が多かったとき、がんばった分の給与額を先に知ることができ、がんばれるでしょう。深夜残業の手当額を計算する方法は社会人なら知っておきたい知識の1つです。自分でもできる深夜の残業代の計算方法を紹介します。
■労働基準法の定める深夜残業の割増率
労働基準法は、法が定める労働時間をこえた労働に対しては、残業代を基準賃金の1.25倍以上。また、残業ではなく通常勤務の時間帯が深夜になる場合は、その深夜の時間帯は基準賃金の1.25倍以上。および、休日労働をした場合は、基準賃金の1.35倍以上をそれぞれ支払わなければならないと定めています。さらに、中小企業を除く大企業では、月間で60時間をこえる法定時間外の残業代は、1.25倍以上ではなく、1.5倍以上と定めています。
では、法定時間外の残業を深夜労働にあたる時間帯に勤務すると割増率はどうなるのでしょうか？ この場合は、通常の残業の割増率1.25倍と通常勤務の深夜の割増率1.25倍が合算され1.5倍以上の割増率になります。同様に休日に深夜残業を行うと、休日の割増率1.35倍と深夜残業の1.25倍が合算された1.6倍以上の割増率になります。また、もし月間の労働時間が60時間をこえていれば、深夜残業代は1.75倍以上になります。しかし、労働基準法が定める休日労働には労働時間が60時間をこえた場合の割り増しは適用されません。なお、労働基準法の深夜とは22時から翌朝の5時までです。また、労働基準法は最低の割増率を定めており、会社ごとに最低以上の割増率を決めています。ほとんどの企業は最低の割増率ですが、正確な計算のためは、自分の会社で割増率がどのように決められているかの確認が必要です。