最近の税務調査では、「このような取扱いは、過去からやっていますので、税金がかかります」であるとか、「全税務署でこのような取扱いをしていますので、何と言われましても税金はかかります」といった、行政の統一性を盾にして、納税者との交渉を打ち切ろうとする調査官が見られます。
この点、税理士の中にも「もう税務署は聞く耳を持ってくれない」と早合点される方が多く見られますが、私の経験談から申しますと、過去からやっているであるとか、全税務署でやっているなど、こんな話を税務署の調査官は基本知らないですから、非常に信ぴょう性の薄い話と思っています。
事実、このような指導を受けた納税者や税理士が、税務調査の交渉を頑張った結果、後日許された、という話は枚挙にいとまがありません。
■「過去からやっていますから」の矛盾
過去からやっている、などと言いますが、税務署の調査官は過去の事例をほとんど知りません。過去どういう課税をしたか、といった情報については、内部のマニュアルを見るなどして参照することになりますが、マニュアルを読む調査官は極めて少数です。マニュアルはぶ厚すぎて、読む気もしないのが調査官なのです。
このため、過去からやっていた、などと断言することは基本できません。
■「全署でやっていますから」の矛盾
全署でやっている、などと言いますが、縦割り行政の税務署では、そもそも他の税務署の情報が回ってくることが少ないです。加えて、このような税務署を超えた情報は、上級官庁である国税局などから文書で通達されることが通例です。これらの通達についても、面倒くさいですし、読む時間も確保できませんので読む調査官はほとんどいません。
このため、全税務署でやっている、などと断言することも基本的にはできないのです。
■税金ってハッタリで取られちゃうの?
このように、国税の内部にいた人間からすれば、最近の税務署の指導には首をひねることが非常に多くあります。私がいたころと事情が変わった、という方もいらっしゃいますが、国税組織の本質は変わらないため、多くはハッタリではないかと思っています。
税務調査官の常套句「そういう決まりですから」が実は大嘘?!(松嶋洋)
2016.03.22 20:30
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