皆神先生に聞いた! 「重力波の観測」ってどのくらいすごいこと!?

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2016年2月12日、アメリカの研究チームが史上初「重力波の観測に成功した」と発表しました。「100年越しの快挙!」「ノーベル賞確実!」などの報道がなされましたが、そもそも「重力波」とは何で、今回の観測はどれほどすごいことなのでしょうか?

『と学会』運営委員にして日本最強のデバンカー・皆神龍太郎さんにお話を伺いました。

■重力波は一般相対論から予測されていた!

――話題になっている「重力波」について知りたいのですが。

皆神さん 踏み込んで話すとけっこう大変というお題ですね(笑)。まず、アルベルト・アインシュタインの相対論(相対性理論)の話からしないといけません。
相対論には、特殊相対論(特殊相対性理論)、一般相対論(一般相対性理論)の二つがあります。特殊相対論は1905年、一般相対論はその約10年後に論文として発表されました。
特殊相対論の方は「E = mc²」という式が一般によく知られているように質量がエネルギーに転化するとか、早く走ると物が縮むとか、時間がゆっくり流れるとかいろいろ不思議な効果が有名ですよね。今回のお題の「重力波」はもうひとつの一般相対論の方から導かれたものです。

――なるほど。

皆神さん 一般相対論は、その名のとおり特殊相対論を拡張してより普遍的な理論に昇華すべく生み出されたものです。でも、正確にいえば重力の理論なんです。最も有名なのは、いわゆる「アインシュタイン方程式」といわれる「重力場の方程式」です。アインシュタインのすごみは、自分の哲学というかイマジネーションによって一撃でこの方程式を書き下したことです。
この方程式からは、質量があると周囲の時空がゆがんで重力が発生するということ、光が曲がること、ブラックホールが存在するかもしれないこと、といった予測ができました。

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