最近、ゆっくり空をながめたことはありますか? 春は空を飛ぶ鳥たちにとっても、別れと出会いが行き交う季節。
七十二候の第十三候は「玄鳥至(つばめきたる)」(4月5日から4月9日頃)。遠くオーストラリアやマレー半島など、南国で冬を過ごしたつばめが、故郷日本に帰ってくる里帰りの時季です。
そして、ちょうど今は「鴻雁北(こうがんかえる)」(4月10日から4月14日頃)。「ただいま」と帰ってくるつばめを迎え、今度は雁(かり、がん)が「さようなら」と子育てのためにシベリアやアラスカへと旅立っていきます。
七十二候とは?
季節は「春夏秋冬」の4つだけではありません。日本には旧暦で72もの豊かな季節があります。
およそ15日ごとに季節の名前がつけられた「二十四節気」。それをさらに5日ごとに区切ったのが「七十二候」です。「霜止んで苗出ずる」「牡丹華さく」「蛙始めて鳴く」……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。
そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声があります。
春は、卒業や就職、転勤など、別れと新たな出会いをむかえる季節でもありますが、鳥たちも私たちと一緒。ちょっぴりせつない気持ちを感じているかもしれませんね。
つばめは、しあわせを呼ぶ鳥。