NGO団体・HRNの主張に関する連載も今回で(ひとまず)最後となる。前回と同様に、AV業界に対して厳しい内容になるが、それもこれもAV業界を滅ぼさないために必要なことだとご理解いただきたい。
■HRNはAV業界の反論し辛さをわかっている前回はヨゴレ仕事のリスクについて説明したが、現在のAV業界は深刻な売り上げ不振にあるからか、HRNの主張に対して「AV業界はクリーンで安全だ」などと反論してしまう。しかし、説明したようにセックスワーカーというだけで様々なリスクを負わされるのだから、クリーンで安全なわけがないではないか。それはAV業界による「騙し」であり、この点においては世間に「HRNの指摘の方が正しい」と受け取られても仕方がない。
言ってみれば「業界はクリーンです」と言い張るのは、HRNの1を100かのように大袈裟に騒ぐという手法と同類で、「90はホワイトだが10はブラック」という状況を、どちらの側から見ているかというだけの差しかないのだ。AV業界は「90%はホワイトなんだから健全だ」と言い張り、HRNは「10%もブラックな部分がある」と大騒ぎする。
これではそもそも世間からのイメージが悪い裸商売の方が分が悪くなってしまう。しかも今回は勝手知ったる対警察ではなく、対外圧(国際問題)というおまけ付きなので、審査団体経由で誰ぞ政治家にあたりが付けられても、それだけで身が守れるほど簡単ではない。TPP交渉など、外交上の理由から政府が譲歩してしまえばそこまでだ。実在する女性の人権が盾にされているだけに、"非存在児童"が争点となった二次元創作物と児童ポルノの問題よりも更に難しい。
ここで前回の記事の冒頭に立ち返るが、AV業界はそもそも裏社会の人間の縄張りを手本として組み立てられた業界であり、真っ当な言論対言論の戦いをするには不利があり過ぎる。その上でどんな言葉を発すれば世間が納得するのか、AV業界人はとにかくそれを真剣に考えねばならない。
今回のHRNの動きを甘く見てはならず、詳しくは言えないがこの流れに乗っかろうというそぶりを見せている別の属性の連中は、AVのプロダクションを資格制にして、AV女優を登録制にしてしまおうとまで画策している。