一般的に月経前症候群としてPMSはよく耳にするようになってきました。月経前のホルモンバランスの変化によって頭痛、めまい、むくみなどの身体的症状を中心とするもの、気分の落ち込みやイライラなど精神的症状を中心とするものなど“身体的症状と精神的症状”が出現してしまうものを月経前症候群(PMS)と言います。
それに対してここ最近徐々に増えてきていると言われている月経前不快気分障害(PMDD)も着目されています。
PMDDにより妊娠しづらくなるという考えもあります。
そこで今日は医学博士の筆者が、PMDDと不妊症との関係性ついてお話したいと思います。
■PMDDの症状の特徴
こちらも月経前に不快な気分になってしまったり、イライラしたり、時にはうつ病に近いような症状が現れることがあります。言ってみればPMSの身体的症状と精神的症状のうち、精神的症状が強く表れたものであるという言い方をすることが出来ます。
このPMDDはPMSのように包括的な概念ではなく精神疾患の一つとして米国精神医学会の診断基準で厳密に定められています。
その症状の基本的特徴は『月経前症候群、月経前不快気分障害の女性の臨床的特徴とストレス・コーピングについて』によれば主に以下5つになります。
(1)著しい抑うつ気分
(2)著しい不安
(3)著しい情緒不安定
(4)活動に対する興味の減退
(5)著しい精神症状と共に、対人関係などの社会的機能に著しい障害がみられる
以上が診断基準となっています。
PMSの症状の一部が強く現れているものであるということなので、PMSと混同しがちですが、特定不能のうつ病性障害という分類をすることが出来ます。『産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2014』 によれば、日本においては月経前症候群が5.4%、精神障害としての月経前不快気分障害が1.2%の有病率ということが判っています。