乱射事件で使用され続ける自動小銃「AR15」とは?

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乱射事件で使用され続ける自動小銃「AR15」とは?

AR15/Photo credit: Moto@Club4AG via Visualhunt / CC BY

アメリカ・フロリダ州オーランドで最悪の事件が発生した。

このオーランドは、ディズニーリゾートやユニバーサルリゾートなどがある観光都市である。それを目的にここを訪れる日本人も多い。そのような賑やかな都市で、実に49人もの死者が発生する乱射事件が起こったのだ。

犯人は自動小銃AR15を所持していた。この銃でナイトクラブの客を次々と射殺したのである。

このAR15という銃、最近になってたびたび耳にするようになった。2012年にコネチカット州で発生した小学校乱射事件の際にも、使用されたのはAR15である。

この銃について語ることは、アメリカの近現代史を語ることと同義なのだ。


■ 米ソの突撃銃競争

「突撃銃」と呼ばれる種類の武器が登場したのは、第二次世界大戦中である。

この頃のドイツ軍は、StG44という銃を戦場に投入していた。これは旧来のマシンピストルよりも射程が長く、かつ接近戦にも対応できるような連射性を確保した新式銃だった。この使い勝手は連合国軍にも大いに注目された。

第二次大戦以降、アメリカとソ連はStG44のような突撃銃を開発するよう兵器開発セクションに指示を出す。その中でソ連が生み出したのが、名銃AK47だった。これはいかなる環境下でも確実に動作する耐久性を持ち、最前線の兵士から極めて高い評価を得ることができた。

一方、アメリカもM14という突撃銃を開発する。だがこのM14は、それまでの単射式ライフルから一歩もはみ出ないデザイン設計だった。すなわち、ピストルグリップがないのだ。

にもかかわらず、この銃は連射が可能である。これはどういう意味かというと、連射時の射線のコントロールが極めて難しいということである。要するにM14は、近距離戦闘用としては不適格な銃だったのだ。

そこで軍は、当初M14の次点に過ぎなかったアーマライト社のAR10という銃に目をつける。

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