乱射事件で使用され続ける自動小銃「AR15」とは? (2/3ページ)
■ 時代を変えた小口径銃
アーマライトは、もともとは航空機製造を手がけるフェアチャイルド社の銃器製造子会社だった。
そのためアーマライトの銃には、航空機業界では当たり前だったアルミ合金とプラスチックが多用されていた。この銃が設計されていた1950年代当時、銃の素材といえばまだ「鉄と木」だけだったのだ。
AR10の設計主任は、ユージン・ストーナーという人物である。ストーナーはのちに、ソ連のミハイル・カラシニコフと並び「近代銃の巨頭」と呼ばれることになる。
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AR10/Photo credit: ScaarAT via Visual hunt / CC BY-NC-ND
M14の代替候補を探していたアメリカ軍は、ストーナーに頼み込みAR10の改良型開発を要求した。AR10もM14も、ともに口径7.62ミリの銃弾を使用する。だが接近戦ではそこまで大きな銃弾は必要としないということが分かってきた。先述の通り、大事なのは接近戦に強いか否かなのだ。
そこで口径5.56ミリの銃弾を使う前提で、ストーナーのチームは新しい軍用銃の開発を始めた。つまりこれが、AR15なのだ。そしてこの銃の軍用モデルにはM16という名称が与えられた。
■ AR15が支持される理由
AR15は今も「アーマライトAR15」と呼称されることが多いが、実は開発後まもなくパテントがコルト社に売却されてしまう。
従って、このパテントが失効するまではAR15はコルトが独占していた。だが今ではパテントフリーになり、銃器製造各社がAR15を生産している。
現在アメリカの民間市場に出回っているAR15は、連射機能を省いたシビリアンモデルだ。だがそれを補って余りある貫徹力と各種副装備を設置できる拡張性、さらに良好な命中精度がカスタマーからの絶大な好評を得ている。